私の小宇宙(2017年②)夏休みにペンキ塗り!

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掲載号:The SWEDEN HOUSE No.173

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夏休みにペンキ塗り!

陽が空高くあがり、夕刻まで明るく輝やく。樹々は冬の眠りから覚めたかのように手を思い切り伸ばしている。

さあ、待ち望んだ白夜の季節だ。

人々は、思い切り夏を楽しむ。日光浴、サイクリング、ピクニック、船遊び…。
 
あれ、大工道具を抱えて“働く”人がいる。ペンキ塗りに精出す人も。

最初に北欧を訪れた頃は、この光景をすぐに理解することは出来なかった。

皆が太陽の恵みを思い切り楽しんでいるのに、「なぜ働いているの?」と。

あれからずいぶん年月が経った。今は木造民家の修理・修復が夏の楽しみの一つだということが分かる。代々受け継いだ民家ならなおさらだ。

友人の一人は、冬の間に修理計画を立てる。それを話す時の彼の嬉しそうな顔といったら。まるで子供のように目が輝やいている。

そう、森の国の彼らは木の家が大好き。夏は大切な家をじっくりと手入れする季節でもあるのだ。

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Prof ile
深井せつ子
画家。北欧各国の清涼な風景に魅かれ、北欧行を重ねながら、個展・出版等で作品の発表を続けている。絵本に『イェータ運河を行く』、『風車がまわった!』、『一枚の布をぐるぐるぐる』など。北欧絵本『森はみんなの保育園』は昨年10月に出版された(全て福音館書店)。

Instagram(@setsukofukai)

 

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