掲載号:The SWEDEN HOUSE No.170
森の妖精たち
北欧の妖精伝説は、小さな老人(ゴブリン)の姿が伝統的。白く長い髭に赤い帽子が特徴だ。スウェーデンではトムテンと呼ばれ、農家の納屋に住む「家の守り神」として大切に思われてきた。
でも北欧画家の絵本を開くと、トムテン以外にも妖精はいろいろ居る。森の老木だったりフクロウだったり…。フィンランドのムーミンは原語(スウェーデン語)で読むと、ムーミントロールと呼ばれる。楽しい一家は妖精なのだ。
そういう北欧の妖精のことを多少は知っている私だが、でも、森の中で楽しそうに遊んでいる金色の髪の子ども達を見ると、「あっ、妖精が居る!」と思ってしまう。
目に麗しく、現実とは思えない瞬間がある。それはいわゆる西洋の妖精伝説に私が洗脳されているからか、スウェーデンの幼子が美しすぎるからかどちらなのかしら。
Prof ile
深井せつ子
画家。北欧各国の清涼な風景に魅かれ、北欧行を重ねながら、個展・出版等で作品の発表を続けている。絵本に『イェータ運河を行く』、『風車がまわった!』、『一枚の布をぐるぐるぐる』など。北欧絵本『森はみんなの保育園』は昨年10月に出版された(全て福音館書店)。
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