ウフフの我が家 2012年

ウフフの我が家

この記事の目次

スウェーデンハウスオーナーのコピーライターが綴る、ひとりごとのような本音エッセイ。

営業力

年の初めになると、初めてスウェーデンハウスのモデルハウスに足を踏み入れた時のことを思い出す。雪の舞う、寒い日だった。実を言うと、ある広告代理店からスウェーデンハウスのコピーを書いてくれと頼まれたのがきっかけだった。そして「実際に見てきて欲しい」と言われ、仕方なく夫と一緒に出掛けたのだった。 しかし何にせよ、それがスウェーデンハウスとの初対面。ほっとする暖かさと気持ちの良い空気、パインのぬくもり、印象的な窓...ああ、こんな家があるのだと、驚いたのを覚えている。

失敗したのは、折角だからと隣のモデルハウスにも立ち寄ったことだった。翌日から、「その後どうでしょう」「ご検討いただけましたか」と矢のような勢いで電話がかかり始めた。家なんて大きな買い物、そう簡単に決められません(ましてや冷やかしだったのだし)。当分は具体的に動かないと言っただろうが!──なんてガツガツしてるんだ...いい加減に嫌気がさした。 が、スウェーデンハウスの営業は違った。一度お礼の電話が来ただけだ。こちらの状況をちゃんと聞いていてくれたことがよく分かる。

そして、実際に家を建てるまでの5年余り、彼はつかず離れず(途中で遠くの営業所に異動したにもかかわらず)、「THE SWEDEN HOUSE」を届けてくれたり、イベントに誘ってくれたりしながら、私たちの側にいてくれた。いつ家を建てるかわからない私たちなんかのために...いつしか夫は「いつか家を買うなら、絶対にあの人から買う」と言い切っていた。 何のために家を売るのか──自分の成績のため?会社のため?お客さんのため?大切な部分を履き違えない、「スウェーデンハウス気質」が好きだ。家そのものに似て、上品であたたかい。うーん、しあわせだなあ、我が家は。

家を建ててから6年、今でも彼は折りに触れて我が家に顔を出してくれる。誠実で優しく、しっかり者の岩田さん...あなたと一緒に家を建てることができて、本当に良かったです。末永く、どうぞよろしくお願いします。

私的瑞国事情

スウェーデンに行ったことはない。でも、ものすごく行ってみたい。娘がもう少し大きくなったら...その時が来たら、どこへ行こうか、何を見ようか、何を食べようか...夢は膨らむ一方だ。北欧、森と湖、福祉大国、ニルスにピッピ...。私にとってスウェーデンのイメージは、当初その程度のものだった。

「スウェーデンハウス?輸入住宅か?」と外資系のような社名に困惑しながらモデルハウスに入ってみると、実はバリバリの日本企業だった。「なあんだ」と、少々肩すかしをくらったような気分になったが、実はその事実にこそ、快適な毎日への鍵が隠されていたのだ。

スウェーデンハウスは、スウェーデンの住宅をそのまま日本に持ってきているわけではない。「快適に、長く住み継ぐ」というスウェーデンの住思想を土台にして、北欧で育った「恐ろしく目の詰まった木材」を使用して、「日本で暮らすための家」を作っている。家を建てる時に何人かの人から「気候や風土が違う国の家なんて――ここは日本だぞ」と言われたが、だから、そういうわけで、大丈夫なのだ。梅雨の湿気も、台風も、土地の狭さも、家族の在り方も、近所との距離感も、みんなみんな分かった上で、ちゃんと考えられた上で、「いちばんの快適」を目指して作られている、日本人による、日本人のための、スウェーデンハウスなのだ。

住めば住むほど心地よく、安心で、愛着が湧く我が家。当然スウェーデンという国にもどんどん興味が湧いてくる。子育て、教育、環境、食、デザイン…スウェーデンと聞くだけで親近感が湧き、一歩踏み込んで知ろうとする自分がいる。そして、どんな分野においても「学ぶべきもの」のとても多い国であることに気づかされ、そんな国が、我が家の生まれ故郷であることに、私は少なからず誇りを感じる。うーん、しあわせだなあ、我が家は。

スウェーデンには、まだ行ったことはない。でも、必ず行くと思う。きっと、初めてなのに懐かしくって、言葉も通じないのに寛げる、そんな旅になるのだろう。今からとても楽しみだ。

うちのかかりつけ

「結婚はゴールではなく、スタートだ」とよく言われるように、「夢のマイホームも、建ててからがスタートですよ」と私は言いたい。全てのハッピーエンドには「続き」があることを、忘れてはいけない。

家は、実際暮らし始めると案外いろいろなことが気になったり、疑問が出てきたりする。些細なことでも、毎日暮らしている身には一大事。そんな時、気軽に問い合わせができたり、快く対応してくれる体制が整っていることが、実はハウスメーカー選びの重要なポイントだったりする。家を引き渡したらそれでおしまい。その後どう暮らそうが、何か不具合があろうが、関係ありませんというような施工業者も、残念ながら存在するのが現実らしく、実際に友人からそんな愚痴を聞かされていた我が家は、その点でも激しく吟味して、スウェーデンハウスを選んだのだった。

特に惚れ込んでいたのが、ヒュースドクトル50(50年間無料定期検診システム)だ。引き渡し後なんと50年!もの間、スウェーデンハウスは我が家の検診をしてくれるというのだ。C値測定同様「どうしてそこまで?」と思ってしまうくらいの至れり尽くせりではないか。自分のことを良く知っているかかりつけの医者が、わざわざ定期的に「どうですか?」と尋ねてくれて、健康状態を調べ、暮らし方のアドバイスなどをしてくれる、と想像してみて欲しい。しかも無料で。こんな安心、そうそうあるもんじゃない。

引き渡し後3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、4年...彼らは本当にやって来た。その都度聞きたいことがたくさんあり、教わることがあり、おかげで快適な日々は今に至るまで全く変わることがない。ハッピーエンドの続きは、「ずっとハッピー」だったのだ。うーん、しあわせだなあ、我が家は。

もうじき7年点検だ。信頼している「かかりつけ医」がまたやって来る。7歳になった我が家の健康状態はどうだろう。しっかりチェックしてもらおうと思う。

ウフフのキッチン

料理が好きだ。作るのが好きだし食べるのも好きだ。大好きな人たちが無防備な顔をして食べるのを見るのが好きだ。「美味しい」という言葉が聞こえてくる、その瞬間が大好きだ。
料理上手の母に育てられたせいか私には食に関する思い出がたくさんある。台所の手伝い、つまみ食い...たまに「お客さん」が来る日にはいつもとちょっと違った献立が用意され、何となくワクワクと嬉しかったものだ。

そんな私の台所は春夏秋冬フル回転。台所仕事が億劫になるはずの夏でも変わらない。猛暑だろうがなんだろうが、素麺に天ぷら、カレー、枝豆、とうもろこし...夏こそ!の食事を楽しまなくっちゃ。
え?暑くないかって?うーん、暑いには暑いのですが、実はオール電化の我が家。IHクッキングヒーターは火を使わないので(おかげで我が家は台所の天井にもパイン材を張れた)周りの空気の暖まり方が、ガスレンジのそれとは格段に違うのだ。隣りのリビングと大差ない涼しさの中、私は天ぶらをあげたり、餃子を作ったり、ケーキを焼いたりとやりたい放題。しっかり食べる──それこそが夏バテ防止の第一歩だ。

娘が手伝いたいと言う時は、どうぞどうぞとお願いをする。火がないから、炒めたり混ぜたりと、コンロ周りの仕事にも参加してもらえる。小さな娘と一緒に立つ夏休みの台所...子育ての苦労も、日々のストレスも、帳消しになる程嬉しい時間だ。うーん、しあわせだなあ、我が家は。

結婚して、子どもを授かり...どこかで「母のような母に」と願っていたように思う。料理の腕前は逆立ちをしてもかなわないけれど、私も娘に同じような思い出が残せるといいな。母がそうであったように、私も、どんなときでも、「美味しい!」を聞くために、台所に立ち続けたいと思うのだ。

まさかの転勤

先日、我が家に一大事が起こった。夫が転勤になったのだ。サラリーマンの妻として、転勤の覚悟くらいはできていたはずだったが、蓋を開けてみると隣接する県への異動というなんとも中途半端な距離だったため、単身赴任か、家族で引っ越すか、はたまた新幹線の始発に乗って通うか...我が家はモメにモメた。

新しい土地での暮らしは変化に富み、刺激的だろう。転校の経験も、娘には無駄ではないはずだ。かつては引越し魔として名を馳せた私なのだし...いっそ家族で引っ越すか?しかし、私にも仕事がある。友達と離れるのだってうんと寂しい。いや、イヤだ。娘もイヤだと言っている。第一、この家をどうするんだ?「ウフフの我が家」をどうしてくれる!
「案外さ、単身赴任もいいかもよ」「会社からは一ヶ月に一度帰る交通費しか出ないよ」「じゃあ、一ヶ月に一度にしなよ」「...」――しまった...すきま風の吹かないはずのスウェーデンハウスに、一瞬すきま風が吹いた。気がした...(笑)。

結局、夫はスウェーデンハウスを離れることを拒んだ。毎朝5時半起きだろうが、帰りが遅くなろうが、この家で目覚め、この家に帰りたいと言う。自分が家にいない時間、家族を守る家はスウェーデンハウスであって欲しいと言う。

私はもう何も言えず、夫の出した結論を受け止めた。この家に、しがみつくつもりはない。通えない距離への転勤であれば、あっさり引越しをしただろう。ここで暮らしてきた中で、本当の快適とは何かを知ることができた。だから、動く先でそれなりの快適(ここまでの快適は望めないだろうが)を探すことも、そう困難ではないだろう。この家だって、価値の分かる人が住んでくれるに違いない。

けれど、とりあえず、我が家の引越しはなくなった。毎朝始発の新幹線に乗る夫に感謝をしながら、今一度、この家のありがたさを噛み締めている毎日だ。うーん、しあわせだなあ、我が家は。

サンタもびっくり

「なっちゃんちには煙突がないよ。サンタ・クロースが入れないよ!」...クリスマスが近づくと、子どもというのはいろいろな心配を始めるものだ。自分はプレゼントをもらえるほどいい子だったのだろうか、欲しいものを持って来てくれなかったらどうしよう、雨が降ってもソリは飛ぶのだろうか、サンタが風邪をひいてしまったら...目に見えないしあわせというものは、常に小さな不安を横に座らせているらしい。「大丈夫だよ。煙突がない家ではね、壁をスッと通り抜けてくるんだよ」──そう答えながら、私は分厚い断熱材の入ったスウェーデンハウスの壁を通り抜けようとするサンタの姿を想像し、ちょっと大変なんじゃないかしらと、くすっと笑った。

「北欧に暮らすわけじゃないし、いりませんよーそんなに厚い断熱材!夏、暑くて困りますよ!」と、家を建てる前に他の住宅メーカーの営業マンから随分言われた(3重の窓も不要だと言っていた。きっとマニュアルか何かがあるんだろう)。根が素直なので、言われる度にまんまと動揺していた私だったが、最終的には「この断熱材がなければ、どの家を選んでも一緒なのではないか」と思い、スウェーデンハウスを選んだ。

いつまでも暑かった今年の夏、エアコンの24時間連続運転で得た快適と省エネ具合といったら、それはもう、「ブラボー、断熱材!」だった。冬の暖かさについては、今更言うまでもない。最近あまりに心地良いと、見えないはずの断熱材が、壁を透かして見えるような錯覚に陥るほどだ(笑)。

しかしこの断熱材、次世代省エネ基準を大きくクリアするクオリティなのだそうだが、世の中の「基準」がスウェーデンハウスの快適に追いつくのはいつになるんだろう。次世代?次々世代?――大切なのは「今」だろう。私は「今」、快適に過ごしたいし、実際快適に過ごさせてもらっている。うーん、しあわせだなあ、我が家は。

サンタ・クロースよ、気合いを入れて体当たりしてくるがいい。どんなに寒いクリスマス・イブになろうとも、分厚い壁の先には、世にも暖かな空間が待っている。なんならちょっと一休みしていく?

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