掲載号:The SWEDEN HOUSE No.155
水辺の夏休み
ストックホルムはバルト海の入江の奥にある群島の都市。主な島々には橋やトンネルがあるので、中心部は電車・地下鉄・車でほぼ自由に行動できる。
ただ、都心部からバルト海に向かう長大な入江には、小さな島が数かぎりなくある。その光景は、まるで夜空の星を仰ぎ見るかのよう。
その島々の間を昔ながらの小さな蒸気船が元気に行き交っている。煙突から煙を出しトコトコと水上を走る姿が私は大好きだ。また、乗船してみるといっそう楽しい。まず、まどろみそうな揺れ具合が心地よい。船全体に風が吹き抜けるのが気持ちよい。
そして、小型蒸気船は、島すれすれに走るので、手が届きそうなところに夏休みを過ごす人々の姿を見ることが出来る。
水に飛び込む子供たち、ランチする人々、ヨットで出かける家族たち、体を仰向けにして陽を浴びる人々…。
それにしても、みなのんびり過ごしているなあ。
子供たちは夏休みがたっぷり2ヶ月間、大人もたいてい5週間くらい休むとか。静かな水辺の夏休みです。
Prof ile
深井せつ子
画家。北欧各国の清涼な風景に魅かれ、北欧行を重ねながら、個展・出版等で作品の発表を続けている。絵本に『イェータ運河を行く』、『風車がまわった!』、『一枚の布をぐるぐるぐる』など。北欧絵本『森はみんなの保育園』は昨年10月に出版された(全て福音館書店)。
[ホームページ]www.setsukofukai.com
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