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Sweden 旅の途中で(2013年④)セラピーとアートの子ども病院

この記事の目次

掲載号:The SWEDEN HOUSE No.156

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セラピーとアートの子ども病院

以前からずっとリンドグレーン記念小児病院を訪ねてみたいと思っていた。

今年の6月初旬、私はようやく視察する機会を得ることができた。

外来患者のフロアを抜けて子どもの共有スペースに案内された。ゲームや、本物そっくりに作った小さな点滴や注射器などがある。これは、遊ぶと同時に前もって治療の知識を得るためだとか。

絆創膏だらけのぬいぐるみもあった。子どもたちがそれぞれ自分で貼って「痛かったね」と声をかけてあげるらしい。また、カラフルな絆創膏を子どもたちが自由に貼り付けた”絆創膏アート“作品が壁に飾られていた。

共有スペースの奥には暗くて天井からキラキラ光が降りてくる部屋があった。まるで夜空の星がここに全部降りてくるような感覚になる。これは静かな気持ちになる部屋。二階の院内学校(Skola)は、木の扉と立体の屋根が『やかまし村の子どもたち』の学校のよう。また、廊下のあちこちに樹木のオブジェがあって、小鳥が留まっていたりフクロウが首をかしげていたり。どこを歩いていても楽しいことに出会える。

私は5歳で入院生活を送った経験がある。子ども患者は、毎日が悲しくて寂しくて不安で一杯。もしこんな素敵な場所にいたら、どんなに良かったろう。

ここのホスピタルアートは子どもの心にそっと寄り添い、豊かな想像力を感じさせてくれる。本当に素晴らしい小児病院だった。

 

Prof ile
深井せつ子
画家。北欧各国の清涼な風景に魅かれ、北欧行を重ねながら、個展・出版等で作品の発表を続けている。絵本に『イェータ運河を行く』、『風車がまわった!』、『一枚の布をぐるぐるぐる』など。北欧絵本『森はみんなの保育園』は昨年10月に出版された(全て福音館書店)。

[ホームページ]www.setsukofukai.com

 

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