ミュークの扉:Sommar Stuga [ソンマルストゥーガ]

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スウェーデン語【サマーハウス】
夏を過ごす家―― スウェーデンのサマーハウスは、日本の「別荘」とは少し様子が異なる。日常の喧騒から離れ、生活の場を自分たちでひとつひとつ作り上げながら、自然の偉大さを感じ、日々の生活に深く感謝する。ここで過ごす夏の時間は、スウェーデンの人々の「生きる力」の源となっている。

掲載号:The SWEDEN HOUSE No.185

自然に戻る、夏。

去年の夏の終わりに、ストックホルムの友人からメールが届いた。今年の休暇には家族でサマーハウスに行ったのよと嬉しげな様子に、私は日本の別荘生活を思い描いて「ゴージャスだね」と返信をした。しかし彼女によれば、スウェーデン人が楽しむサマーハウスでの時間は、ゴージャスとはちょっと違うらしい。大自然の中にあるサマーハウスで、彼らは普段と全く違う時間を楽しむ。テレビを消して、スマホの電源を切り、一日中太陽の光を浴びて過ごす夏。シャワー代わりに湖に入り、夜は家族で尽きないおしゃべりをする。普段は見ることのできない家族の姿や、子どもたちの成長を感じることは、最高に楽しくて、嬉しいことなのよ。と、彼女は教えてくれた。

長い冬のあとにやっとやって来た夏。その夏を、スウェーデンの人たちは愛してやまない。少しでも長く太陽の下にいたい。たっぷり夏を抱きしめておきたい。そんな彼らが憧れるのが、サマーハウスで「自然に戻る夏」なのだ。何も持たない自分になって大自然に近づく時、学ぶこと、気づくこと、思い出すことは、きっとたくさんあるのだろう。

今年も夏がやってくる。私も夏に近づいてみよう。テレビを消して、携帯を置いて、子どもたちと一緒にウッドデッキでの時間を楽しもう。いつもと少し違う夏が、きっと過ごせるに違いない。

 

<フェンステル   ミュークの扉   ナチュール>

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