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ミュークの扉:Fönster[フェンステル]

この記事の目次

スウェーデン語【窓】
スウェーデンの人たちにとって、窓は単なる「開口部」ではない。光あふれる短い夏と、暗く長い冬がめぐる暮らしの中で、窓は「太陽の入り口」となったのだ。個性豊かに飾られた窓辺は、道行く人の目も楽しませ、街を、そしてスウェーデンという国を美しく彩っている。

掲載号:The SWEDEN HOUSE No.184

太陽の入り口

彼女にとっての「特別な場所」は、一見ちっとも特別ではない、ごくごく普通の窓辺だった。大きな木枠の窓の前に、使い慣れた様子の椅子が一つ。お手製のクッションが一つ。その空間を彼女はとても嬉しそうに「私の贅沢」と呼ぶ。その理由は―― 翌朝に分かった。慌ただしく家族を送り出した後、彼女はその椅子に座り、窓から差し込むやわらかな陽光を身体いっぱいに浴びていた。スウェーデンでは、誰もが太陽の光に焦がれる。それは彼らにとって愛しくてしょうがない、宝物のような存在なのだ。長く暗い冬が過ぎると、いっせいに春がやってくる。そうすると、皆いそいそと日光浴に出掛け、少しでも長く陽の光と一緒にいようとする。家の中では、太陽の入り口である窓辺を特別な思いで飾り付け、差し込む光を待ち望む。

「ただただ幸せで、満ち足りているの。」輝く光の中で目を閉じながらそう話す彼女の笑顔は、母親に抱きしめられる少女のようだ。なるほど、こんな贅沢なかなかない。

 

<ラゴム   ミュークの扉   ソンマルストゥーガ>

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