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私の小宇宙(2015年③)スウェーデン・ミニアチュール

この記事の目次

掲載号:The SWEDEN HOUSE No.167

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スウェーデン・ミニアチュール

首都ストックホルムにあるスカンセン野外博物館は、この国の各地から移築した民家・農家がある。創設立案者のハセーリウス氏は、民俗学者時代に各地を取材して、産業革命の波で、古い家も村もいずれ消滅すると考え、家具の収集から始め、古民家の移築に努めた。だから、ここには、「スウェーデン」がギュッと詰まっている。

スカンセンには何度も訪れているのだが、この9月は、新たな気持ちで取材した。今回は、家や家具についての疑問を、施設案内人に聞いて回った。みな、真剣に応じてくれて、民俗服の案内人たちは頼もしかった。

上の古時計がある部屋の絵は下部の農家の左側。この17世紀の寝台は、今までみたどれよりも小さかった。「どうやって眠るの?」と聞くと民俗服の男女が靴を脱いでベッドに入ってポーズをとってくれた。「えっ、2人用?」と驚くと、「寒いから身体をくっつけて眠るんです。赤ちゃんは2人であたためて。ベビーベッドは夏用ね。」と。この部屋は大きなカマドがあり、暖も灯りもこれだけだったとか。キャンドルのある暮らしは、当時は贅沢だったらしい。

時はながれ、いまは部屋で寒さに凍えることもない。でもスカンセンでは、大切な暮らしの原点を伝えつづけている。

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Prof ile
深井せつ子
画家。北欧各国の清涼な風景に魅かれ、北欧行を重ねながら、個展・出版等で作品の発表を続けている。絵本に『イェータ運河を行く』、『風車がまわった!』、『一枚の布をぐるぐるぐる』など。北欧絵本『森はみんなの保育園』は昨年10月に出版された(全て福音館書店)。

Instagram(@setsukofukai)

 

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