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私の小宇宙(2015年②)スロイドのちから

この記事の目次

掲載号:The SWEDEN HOUSE No.166

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スロイドのちから

スウェーデンの基礎教育(1年〜9年)にはスロイドSlöjdという授業がある。工芸、手芸などのモノづくり、主に伝統手工芸(Hemslöjd)を学ぶ授業で120年以上の伝統があるらしい。
 
ここで使われる道具は生半可ではない。ナイフ、ノミ、ノコギリ、カナヅチなど、あらゆる大工道具の使い方を学ぶ。機織りも大きな機織り機が用意され、美しいスウェーデン織りを学ぶことが出来る。
 
たいてい男子は工芸、女子は機織り。えっ、男女平等の国なのに? いえいえ、それは、権利や頭脳のことで、国の伝統工芸を身に着けるには男子は力仕事、女子は優雅な機織りがよく似合う。
 
ある時、中学生くらいの学年の廊下に、不思議なダーラナ馬が展示されていた。形もイビツだが、馬の色が凄い。真っ黒とか、青に水玉とか、緑一色とか自由奔放。これは、授業で生徒が作ったものだ。でも、ひとつひとつ、なかなか個性的。9年間しっかり学んで卒業する頃には、みな大工さん顔負けとなる。
 
こうして「修理・ぺンキ塗りあたりまえ男子」が誕生する。素敵なことだ。

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Prof ile
深井せつ子
画家。北欧各国の清涼な風景に魅かれ、北欧行を重ねながら、個展・出版等で作品の発表を続けている。絵本に『イェータ運河を行く』、『風車がまわった!』、『一枚の布をぐるぐるぐる』など。北欧絵本『森はみんなの保育園』は昨年10月に出版された(全て福音館書店)。

Instagram(@setsukofukai)

 

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