福祉や幸せな国ランキング上位で知られるスウェーデン。そんな国の子育てってどんな感じ?スウェーデンで子育てした日本人ママのショートコラムをご紹介!
卒業式のあとトラックの荷台に乗って街をパレードする様子
賑やかな卒業式
スウェーデンの学校は「秋学期」と「春学期」の2学期制になっていて、春学期が終わる5月末から6月は学年が終了する時期で卒業シーズンでもあります。5月に入る頃から卒業関係の行事が慌ただしく行われますが、メインの卒業式は日本の厳粛なものとはまるで違い、新しい門出を祝うパーティーといった感じです。特にスウェーデンでは高校を卒業する歳が成人する18歳にあたるので、成人式を兼ねた大きなお祝いをします。
この日、卒業生たちはクラスごとに朝から集まりシャンパンでお祝いをした後、卒業式に出席します。保護者や家族は式には出席せず、生徒が幼かった頃の写真を貼って飾り付けたプラカードを掲げ、式を終えて校舎から走って出てくる生徒を出迎えるのです。一般的にこれを「走って外に出る」という意味の「Utspring(ウートスプリング)」と呼びますが、その名のとおり学校から外の世界(社会)に飛び出すことを象徴したような儀式です。生徒達はその後、トラックの荷台に乗り込んで大騒ぎをしながら街中をパレードし、街行く人たちが祝福の声をかける様子は、この季節の風物詩です。

「高校の卒業式とパレードの様子」
下記のURLをリンクするとYoutubeで動画をご覧いただけます
https://youtu.be/4Llfh8uiq5M
夏休みの意味
スウェーデンでは、夏至に一番近い6月19日~25日の土曜日が「夏至祭 Midsommardag(ミッドソンマルダーグ)」にあたり、前日の金曜日に大きなお祝いをします。それぞれの地方の大きな広場では、白樺の葉と草花で飾り付けたシンボルのメイポールが立てられ、その周りを歌って踊り夏の到来を祝います。
学校では終了式や卒業式が終わり、子どもたちはすでに夏休みに入っていますが、夏至祭を過ぎた頃から仕事場でも夏季休暇を取る人が多く、スウェーデン社会はしばらくストップしてしまいます。街のレストランやショップの入り口には「7月30日までお休みします」というような長い休暇のお知らせを貼っているところも少なくありません。
気候に恵まれた国とは違い、暗く長い冬を余儀なくされる北欧では短い夏は特別な季節。だから、夏は仕事や勉強よりも、出来る限り太陽を浴び、目一杯充電することの方を優先します。充電したエネルギーで、またやってくる長い冬を過ごさなければならないのですから…。
(左)夏至祭のメイポールを立てている様子(右)海で遊ぶ子どもたち
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