「子育て情報 Vol.2」 お食い初め(おくいぞめ)

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お食い初めは何のため?

「お食い初め」は、赤ちゃんが生まれて、およそ100日目に行う儀式です。個人差はありますが、その頃になると乳歯が生え始めるため、「一生涯、食べることに困らないように」との願いを込めて行われます。平安時代に始まり、江戸時代には現在の様式ができていたようです。地方によっては「百日(ももか)の祝い」「食べ初め(たべぞめ)」などと呼ばれます。また、皇室では『お箸揃えの儀』と呼び、現在でも白木の三方に土器(須恵器) を使ってお祝いするそうです。

お参りの決まりごととしては、父方のおばあちゃんに抱かれて、母方の実家で用意した「白羽二重(しろはぶたえ)」の着物を着せ、さらに、紋の付いた祝い着を上から羽織らせる形が正式なものです。この時は、両親も正装が望ましいとされていますので、ママは着物、パパはスーツが多いようです。最近ではおばあちゃんが参加しない事も多く、赤ちゃん用のお宮参りの衣装は、両親が専門店などで購入したり、ベビードレスなどで代用する場合もあるようです。レンタル衣装もありますので、うまく利用するのもイイですね。

準備するもの


伝統的な「お食い初め」では、一汁三菜の「祝い膳(いわいぜん)」というものを用意します。これには鯛など尾頭(おかしら)つきの魚、赤飯、焚き物、香の物、紅白の餅が準備されます。さらに、吸う力が強くなるようにと「吸い物(汁物)」を、歯が丈夫になるようにと「歯固め石」と呼ばれる小石を揃えます。「歯固め石」は古くからの習わしでは地元の神社(氏神)の境内から授かり、儀式が終われば再び神社に返します。

食器にも、いくつかの決まりごとがあります。男の子には家紋の入った総朱塗りのお椀と低いお膳を、女の子には内が朱塗りで、 外が黒塗りのお椀と高いお膳を用意します。箸は白木の柳箸を用います。一般的には、すべて新しく準備しますが、実際は代々同じお膳を使っているお宅も多いようです。

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儀式の手順


家族の年長者が赤ちゃんを抱っこし、赤飯→吸物→赤飯→鯛→赤飯の順で、食べ物を口にもっていき、食べさせる真似をします。そして、鯛を焚き物、香の物に入れ替えて、全部で三回繰り返します。次に、箸で「歯固め石」に触れて、その箸を赤ちゃんの歯茎に当て、丈夫な歯が生えるようにお願いをします。赤飯は「ひとつぶなめ」といわれ、実際に一粒だけ食べさせますが、嫌がる場合は無理強いは禁物です。

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最近は「お食い初め」も、少し様子が違ってきているようです。かつては、お料理も全て手作りで、鯛だけを魚屋さんにお願いするのが一般的でした。最近では、料亭の仕出しや通販などで揃えることができるので、手軽に利用する方も多いようです。伝統的な食器の代わりに、自然派志向の木製や竹製食器、可愛いキャラクター入りのメラミン食器なども、お食い初め用としてたくさん販売されています。伝統的な儀式は大切にしながらも、ライフスタイルに合わせてお料理や食器に変化を加えるのも楽しいかもしれません。

 

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<vol.01  子育て情報 vol.03>

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