掲載号:The SWEDEN HOUSE No.188

春が来た
クリスマスを過ぎた頃から、1日のうち、明るい時間がどんどん長くなっていき、そして、ようやくスウェーデンに春がやってくる!森の樹木は芽吹き、野の花が風に揺れている。農家ではヤギや羊などの新しい命が産ぶ声をあげ、人々は早朝から夜中まで世話で大忙し。虫や鳥たちはいっせいに卵をかえし、子育てにてんてこ舞い。
都会では、レストランが道や広場をきれいに掃除し、テーブルや椅子を並べる。港では、ヨットやボートが水辺へ運ばれ、カバーが外されて航海の準備に入る。スウェーデンの春は短い。柳の白い綿毛がフワフワと国中を飛び回ると、さあ待望の夏が待っている。だから人々にとって春は、いちばん夢がある。誰もが待ちに待った季節の到来だ。
Prof ile
深井せつ子
画家。北欧各国の清涼な風景に魅かれ、北欧行を重ねながら、個展・出版等で作品の発表を続けている。絵本に『イェータ運河を行く』、『風車がまわった!』、『一枚の布をぐるぐるぐる』など。北欧絵本『森はみんなの保育園』は昨年10月に出版された(全て福音館書店)。
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私の小宇宙 2021年②>