私の小宇宙(2019年④)どんなに高層ビルが建っても

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掲載号:The SWEDEN HOUSE No.183

 

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どんなに高層ビルが建っても

スウェーデンの都市も、ここのところ年々変容している。ストックホルムにも新しいビルが増えてきている。最も驚くのは南部最大の都市マルメ。鉄道駅周辺は新築ビル群が集中し、方向が分からなくなった。馴染んだ風景の海、川、城の姿が見えないからだ。
 
それでも、旧市街の広場に着くと、そこは元のまま。中世からの姿を見せてくれる。南端の小都市イースタッドも昔の姿を保っている。ここはBBCのテレビ刑事ドラマ※ の舞台となり一躍有名になった。それでも、ゆったりした海岸避暑地の雰囲気は変わっていない。
 
高層ビルが増えても有名になっても、何が大事か、それを守る人々の姿勢に改めて心を動かされる。

※スウェーデンの作家ヘニング・マンケルが描く警察小説『クルト・ヴァランダー・シリーズ』

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Prof ile
深井せつ子
画家。北欧各国の清涼な風景に魅かれ、北欧行を重ねながら、個展・出版等で作品の発表を続けている。絵本に『イェータ運河を行く』、『風車がまわった!』、『一枚の布をぐるぐるぐる』など。北欧絵本『森はみんなの保育園』は昨年10月に出版された(全て福音館書店)。

Instagram(@setsukofukai)

 

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