掲載号:The SWEDEN HOUSE No.180
春の到来
北欧の古都ストックホルムに春がやってきた。乾いた木々は緑のベールを被り、船着き場では船をたたく水の音が聞こえる。
107年前の春もこんな風に訪れてきたのだろうか?
1912年、第5回オリンピックがストックホルムで開催された。日本の年号では明治45年。その時の人々の様子を想像することは私には出来ない。
が、同年に豪華客船タイタニック号沈没事故があった。あの映画に出てくる乗客の衣装、働く人を思い出すと、107年前のこの街の情景が私の中で動き出す。
ガムラスタンのカフェは賑わっていたことだろう。このセーデルマルムの海沿いは散策する家族がいただろうか。そんな想いでテレビドラマ「いだてん」※ を楽しくみている。
※NHK2019年大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』

Prof ile
深井せつ子
画家。北欧各国の清涼な風景に魅かれ、北欧行を重ねながら、個展・出版等で作品の発表を続けている。絵本に『イェータ運河を行く』、『風車がまわった!』、『一枚の布をぐるぐるぐる』など。北欧絵本『森はみんなの保育園』は昨年10月に出版された(全て福音館書店)。
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私の小宇宙 2019年②>