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徹底解説!室温で健康寿命を延ばす!

この記事の目次

皆さんは「健康な住まい」という言葉をよく目にしたり、耳にしたりすることがあると思います。しかしそれが具体的にどんな住まいなのかと問われると、よく分からなくて返事に困るのではないでしょうか。今回はそんな皆さんと一緒に「住まいと健康の関係」について、公的なデータや調査報告などの客観的視点を取り入れながら見ていきたいと思います。

健康住宅の世界常識は室温「18℃以上」!

 皆さんは、WHO(世界保健機関)が寒さによる健康リスクから居住者を守るために「冬の室温18℃以上*」を強く推奨していることをご存知でしょうか?これは201811月に「住まいと健康に関するガイドライン」として発表されたものですが、国内のニュースではあまり扱われていないため初耳だという人が多いのではないでしょうか。

*小さい子どもや高齢者は、さらに暖かくすることを推奨

 実は欧米では「過度な寒さは基本的人権の侵害にあたる」との認識があり、住まいの寒さに対して最低室温を規定しているケースが見られます。イングランド公衆衛生庁では「室温18℃未満で血圧上昇・循環器疾患のリスクあり」、さらに「16℃未満で呼吸器系疾患への抵抗力低下のリスクあり」として「冬の最低推奨温度18℃以上」を定めています。またフィンランドでは人が住む建物の室温を21℃と定め、下回る場合や維持できない場合は住居とはみなさずに倉庫や物置と同じ建物として扱うそうです。諸外国では、低室温の住まいが居住者の健康に与える悪影響について国が正しく認識し、国民が健康を損なわない住環境で生活する権利が守られているのです。

 このように、健康に暮らしていくために冬の室温を18℃以上に保つことは、世界の常識になりつつあります。年齢や性別、体調などによって寒さの感じ方はそれぞれですが、たとえ「寒い」と感じていなくても、身体が温度の低い環境に置かれていれば、健康へのリスクは生じます。自分の感覚で暑い・寒いを判断せず、「18℃以下になる低室温の寒さは健康リスクがある」ということを忘れずに、具体的な数字を判断の目安にして、室温のコントロールをすることが大切です。

室温が健康と密接に結びついていることは、日本ではまだあまり認識されていません。健康に過ごすためには「住宅」が与える影響が大きいことを意識して、家を選ぶことが大切です。

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え!?日本の9割が室温「18℃以下」

 それでは、世界の常識が分かったところで日本の実態を見てみましょう。日本全国の冬季における平均室温を調査したところ、リビング(在宅中)の平均室温が18℃以上の住宅はわずか1割。9割は在宅中でもリビングが「18℃以下の低室温」と寒い状態で、WHO推奨および世界常識とかけ離れた結果となっています。

なぜ?「温暖地ほど低室温」

また、この調査では寒い地域に比べて暖かい地域ほど部屋の温度が低く、寒くなりがちなことも分かりました。調査結果によると、冬季における平均室温が最も高いのは北海道の19.8℃、最も低いのは香川県の13.1℃。札幌、高松2地点における1月の平均気温(19992020年の平均)を気象庁データで見てみると、札幌は−3.2℃、高松は5.9℃です。外気温は北海道に比べて香川県の方が高いにも関わらず、在宅中の室内温度が逆転するのは一体なぜなのでしょうか?これは温暖地ほど住まいの断熱性能への意識が低いこと、さらに寒冷地ほど家を暖かくするための対策として高気密・高断熱住宅の普及が進んでいることの表れなのです。

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室温コントロールのカギは「高気密・高断熱」

ここまで読んできた皆さん!「我が家の室温は何度なんだろう?」と、少なからず不安になったことと思います。ぜひ温度計を設置して、リビングだけでなく朝方の寝室や脱衣所などの室温をチェックしてみてください。そして、想像していた以上に寒く、健康ではない部屋で生活していることが分かったら、「室温18℃以上」をしっかり頭に入れて、この冬の暖房対策を考えてみてください。

とはいえ、実は暖房機器だけで部屋を暖かく保つのはとても難しいこと。みなさんは「暖房しているのに、いつまでも暖かくならない」という経験がないでしょうか?その原因は、家そのものの性能にあります。いくらエアコンやストーブ、ヒーターなどで部屋を暖めようとしても断熱性や気密性が備わっていない家の場合、外の寒さの影響を強く受けてしまいます。部屋を暖めたいと思った時に希望通りに室温をコントロールするには、まず外気の影響をしっかり防ぐことのできる、高気密・高断熱性能を備えた住宅が必要であることを忘れないでください。

                                                 shitsuon_kokimitsu_kodannetsu

PICK UP!意識・対策の違いが示す冬の死亡増加率

比較的暖かい地域と、寒い地域における冬の死亡増加率(夏季より冬季に死亡者が増える割合)からも、住まいの断熱への意識・対策の差が見られます。欧州における冬季の死亡増加率を見てみると寒冷な国では10%(フィンランドの値)程度なのに対し比較的温暖な国では20%前後と増加傾向(最も高い値はポルトガルの28)。日本国内においても同様で北海道の10%に対して温暖な県では増加傾向が見られます(最も高い値は栃木県の25%)。冬の死亡増加率は、暖かい地域が寒い地域の2倍ほど増える━━この事実からも寒い地域ほど住宅の断熱・気密への意識が高いことが分かります。

(参考)国土交通省 住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する調査の中間報告

 

重ね着では解決せず!知らぬ間にしのび寄る「低室温」リスク

 寒さに対して重ね着で体温が逃げないようにすることも大事なことですが、例えば肺の免疫力低下を考えた時には解決策になりません。なぜかというと肺の免疫力低下は呼吸によって吸い込む空気温度の低さによって引き起こされるためです。

呼吸で冷気を吸うと、喉、気管、食道が徐々に冷えて肺や心臓、やがて体内を循環する血液や体液も冷えていきます。血液が冷えると血管が萎縮して血流が悪くなるだけでなく肺や心臓以外の深部体温も下がって内臓機能が低下、免疫力も低下して風邪などをひきやすくなってしまうのです。

特に就寝中、気温が一番冷え込む明け方などにはリスクが高くなる可能性があります。室温低下に気づかずに対策を取れずにいると肺が冷えて免疫力が低下してしまうので、就寝中でも寝室は常に「室温18℃以上」を心がけることが大切です。

住まいは「生活習慣」?!

低室温にはその他にどのような健康リスクがあるのでしょうか。まずは「高血圧」。低室温の住まいに暮らす人ほど起床時の血圧が高くなる傾向にあり、その影響は高齢者ほど大きくなるという報告があります。そして血圧が高くなることが発症のきっかけとなる循環器系の疾患は夏より冬に起こりやすいこと、循環器疾患で亡くなる人が低室温の環境下で多いことも分かっています。

高血圧になる原因はさまざまで、遺伝的要因もありますが、これまでは主に喫煙、多量飲酒、食塩の過剰摂取、運動不足、肥満、過労などの生活習慣が大きく関係していると言われてきました。しかし近年では気温の変化や季節変動が発症のきっかけとなり、住まいの温熱環境によって血圧が上昇することも確認されています。住まいは「生活習慣」の1つという視点が必要なのかもしれません。

 循環器疾患とは
循環器疾患とは血液を全身に循環させる心臓や血管などが正常に働かなくなる疾患のことで、心筋梗塞などの心疾患や脳卒中などの脳血管疾患に代表されます。発症すると後遺症が残るケースもあるため、健康寿命を伸ばすためにも循環器疾患の予防は大切です。ちなみに日本の医療費全体おける循環器疾患の割合は約20(2017)と第1位、また心疾患は日本の死因の第2位、脳血管疾患は第4位です。

(参考)厚生労働省ホームページ
国土交通省 住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する調査の中間報告

 

その入浴、危ないかも!

また冬場は、入浴中の事故(家で入浴中に意識を失い、そのまま浴槽内で溺れて亡くなるなど、不慮の事故)で亡くなる人が多いという事実もあります。主な原因はヒートショック。この症状は急激な温度変化による血圧変動で起こるため、低温の脱衣所から高温の湯船へと身体が短時間で急激な温度変化にさらされる入浴はとても危険なのです。消費者庁では「入浴前に脱衣所や浴室を温めて」「湯船の温度は41℃以下に」「湯に浸かる時間は10分まで」など危険入浴への注意喚起をしていますが、毎年多くの人が亡くなっています。

このような事故を防ぐためにも「室温18℃以上」が有効です。「住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する全国調査」の報告によると、「冬季在宅時のリビングと脱衣所の平均室温が18℃以上あると熱い湯温での入浴確率が低くなり、その確率は住宅の断熱化によって室温があがることでさらに低くなる」とのこと。つまり、室温が18度以上ある暖かな部屋で過ごしていると、お風呂の温度はぬるめでもいいと感じるようになり、危険入浴の習慣そのものを減らせる可能性があるというのです。

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「温度のバリアフリー」が正解!

危険な場所は浴室だけとは限りません。ヒートショックは急激な温度変化によって起こる症状なので、例えば暖房のついたリビングから無暖房の廊下やトイレに行く時や、低室温の寝室で寝ていて暖かい布団から出る時などにも危険があります。家の中の温度差で、容易にヒートショックは起こりうるのです。このリスクを回避するためのカギは高気密・高断熱住宅が叶える「温度のバリアフリー」。家中どこでも温度差のない穏やかな暖かさを保つことによって、血圧の変動を抑えることの重要性は様々な調査結果や統計でも実証されています。

また、「温度のバリアフリー」は結露の防止効果もあり、アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患の原因となるカビやダニの発生も防いでくれるという効果も期待できます。

PICK UPスウェーデンハウスだから叶う「温度のバリアフリー」

一般住宅とスウェーデンハウスの垂直温度分布(冬)_page-0001
高気密・高断熱性能に優れたスウェーデンハウスなら家中のどこも温度差が少なく、最高の「温度のバリアフリー」が叶います。上の図をご覧ください。左側が一般住宅、右側がスウェーデンハウスの室内温度を表したものです。1つのイラストで「部屋間の温度差」と「床から天井までの温度差」の2つを示しています。

左側の一般住宅を見てみると1階居間、1階食堂、2階寝室の3部屋間での温度差も、各部屋内での床から天井までの温度差も大きいことが分かります。床と天井の温度差は10℃程あり、これでは足元は冷えるのに頭は熱くてぼーっとする不快な状態となってしまいます。

一方、右側のスウェーデンハウスを見てみると1階居間、1階食堂、2階寝室の3部屋間での温度差も、各部屋内での床から天井までの温度差も小さく「温度のバリアフリー」を実現していることが分かります。足元が冷えないこともポイントです。足元が冷えると血行が悪くなり、その冷えは全身に広がるからです。このことからも、スウェーデンハウスは居心地の良さと、健康で安心に暮らせることの両方を満たした住環境といえます。

「ノンエナジーベネフィット」とは?

 ここまでで冬を暖かく過ごすことが健康的な暮らしに重要なこと、そしてそのためには高気密・高断熱性能の住まいが欠かせないことをご紹介してきました。ここからは更に、高性能な住まいが私たちの健康に与えるメリットを見ていきましょう。

 みなさんは高気密・高断熱住宅が生み出す恩恵(ベネフィット)を、お金に置き換えて、2つの側面から評価する考え方があるのをご存知でしょうか?1つ目は「エナジーベネフィット」といい、住宅性能による省エネ効果がもたらす光熱費の削減という恩恵。そして2つ目は「ノンエナジーベネフィット」といい、温熱環境を改善することによって病気を予防し医療費の負担を少なくできる等の恩恵です。詳しくは次のグラフをご覧ください。

 血圧の他にも!データが示す「ノンエナジーベネフィット」

高断熱住宅の健康改善効果_page-0001

上のグラフは温熱環境の改善がもたらす快適さや健康のメリット、すなわち「ノンエナジーベネフィット」を示しています。断熱性の低い住宅で自覚していた様々な症状が高断熱住宅に転居してどのくらい改善したかを調査しており、「気管支喘息」「のどの痛み」「せき」「アトピー性皮膚炎」「手足の冷え」「肌のかゆみ」「目のかゆみ」「アレルギー性結膜炎」「アレルギー性鼻炎」、いずれの症状も断熱グレードが高いほど改善率が高くなっているのが分かります。

 「のどの痛み」や「せき」などの改善は、前出の項目でも触れた低室温リスクの改善による免疫力アップと関連がありそうです。また、「気管支喘息」、「アトピー性皮膚炎」、「アレルギー性結膜炎」や「目のかゆみ」、「アレルギー性鼻炎」などはダニがアレルゲンになっている可能性が高く、ダニの発生を防ぐためにはまず家の中でカビを発生させないことが重要です。室内でカビが発生する最大の原因は冬場の結露ですから、住宅の高気密・高断熱性能によって結露を防ぐことが、アレルギー反応を起こさせない暮らしにつながることは想像に難くありません。

また、「肌のかゆみ」「アトピー性皮膚炎」などの肌の悩みが改善する理由は、住まいが暖かくなることで着衣量が減り、かゆみやアトピーの引き金となる衣類からの刺激・負担が少なくなるからではないかとも考えられています。ちなみに重ね着が減ることで血流の改善や転倒防止の効果も期待できます。着膨れした状態は膝や肘などの関節を圧迫して血流を悪くしたり、体の動きを鈍くするために転倒したりする原因にもなっているのです。

 このように、温熱環境の改善は、快適さをもたらしてくれる上に病気の予防という「ノンエナジーベネフィット」をもたらしてくれます。恩恵(ベネフィット)はもしかすると医療費の削減だけでなく、健康に働けることでの安定収入にもつながるかもしれません。高気密・高断熱住宅は経済的にも優しい家と呼べるのではないでしょうか。

 暖かな住まいで「健康寿命」を延ばそう!

健康寿命とはWHO(世界保健機関)が提唱した「自立した生活ができる期間」のことで、人が生存する平均年数=平均寿命ではありません。例えば100歳まで生きた人でも、95歳から寝たきりになり日常生活において介護などのサポートを必要としていたとしたら、その人の健康寿命は95歳ということになります。

最新の統計*によると日本は平均寿命、健康寿命ともに世界の中で最も高く、平均寿命(男女平均)84.3歳、健康寿命(男女平均)74.1(どちらも世界全体平均より10歳以上高い)。つまり、65歳で定年を迎えるとすると、健康に自立した生活を送れる時間が74.1歳までの9.1年、その後の要サポート期間が84.3歳までの10.2年ということになります。

男女別(日本)でみてみると男性は平均寿命81.5歳、健康寿命72.6歳(65歳定年とすると自立期間が7.6年、その後の要サポート期間が8.9年)で、女性は平均寿命86.9歳、健康寿命75.5歳(65歳定年とすると自立期間が10.5年、その後の要サポート期間が11.4年)です。 ※世界保健統計2023年版(2023年5月19日)。WHO加盟国のうち、198の国と地域を対象とした調査


介護などのサポートを受けずに生き生きと自立した生活を送り続けたい。きっと誰もがそう願うはずですが、我が国の平均寿命の長さが、そのまま「元気な高齢者」の多さを意味するわけではありません。高齢者本人にとってはもちろん、高齢者を支える人たちの医療や介護の負担を減らすためにも、今後いかに健康寿命を伸ばしていけるかが大切です。そのために出来ることの1つが、暖かい家で暮らすことだと言えるのではないでしょうか。

まとめ

今回の記事では、近年研究が進む「住まいと健康の関係」に注目してみました。暑い・寒いといった不快感、また室内温度がまねく健康被害は、住宅そのものの性能改善なしに根本的な解決はありません。快適で健康な暮らしを送るためには、そうできる住宅が必要なのです。これから家づくりをされるみなさんはぜひ、快適さを体感したり実際の室温を確認したりしながら、健康住宅選びをしてください。この先、何十年と過ごす大切な家ですから、ぜひご自身だけでなく、お子さんから高齢のご家族までそろって住宅性能を肌で体感、また実際の室温を目で確認してみてほしいので。スウェーデンハウスでは、実際に住み心地を確かめることができる 宿泊体験館を全国にご用意しています。廊下に出た時、お風呂に入る時、布団から起き上がる時…どんな場面でも等しく暖かい心地良さを、ぜひ一度体感してみてください。

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