ご存じですか? 「スウェーデン」ハウスな理由(ワケ)

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みなさんは、「スウェーデン」という国にどんなイメージをお持ちでしょうか?デザインの国、福祉の国、環境意識の高い国、またスウェーデン企業と言えばボルボ(VOLVO)、イケア(IKEA)H&M、スポティファイ(Spotify)などが思い浮かぶかもしれません。森と湖が広がる素敵な風景をイメージする方も多いと思いますが、同時に、厳しい自然に直面する土地でもあります。だからこそ、心地よく快適な暮らしをつくるため、工夫が重ねてられてきました。そんなスウェーデン生まれの住宅を、日本の気候・文化に調和させてお届けしているのがスウェーデンハウスです。今回の記事はスウェーデンという国の簡単な紹介からスタートし、株式会社スウェーデンハウスが社名に「スウェーデン」の名を冠することになったワケについてお話しします。

スウェーデンって、どんな国?

みなさんはスウェーデンという国について、どのくらいご存じでしょうか?ここではポイントを絞って、基本情報から見ていきましょう。

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基本情報

スウェーデンはヨーロッパ北部・スカンジナビア半島の東側に、南北に細長い形で位置していて、面積は日本の約1.2倍。北部は北極圏に達しており、比較的南に位置する首都ストックホルムでも緯度は59度(札幌の緯度が43度)。高緯度なので、冬は厳しい寒さに加えて日照時間がとても短くなります。12月(冬至)の日照時間はストックホルムで6時間、北極圏に位置するキールナ(緯度68度)で0時間!人口は北欧諸国の中では最大(1,070万人*1)ですが、それでも日本の約12分の1ほど(日本の人口は1億2,260万人*1)。公用語はスウェーデン語ですが、英語も良く通じるので、旅行などで訪れた際の会話は英語でも問題ありません。

*1 「世界人口白書2023」国連人口基金

 

トップクラス常連!世界いろいろランキング

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世界的な指標で見ると、スウェーデンは「男女平等」や「幸福度」、「SDGs 達成度」などが進んでいる国としても知られています。

・「SDGs 達成度ランキング (2023年 国連持続可能な開発ソリューションネットワーク)」 2位(日本21位/166ヶ国)
・「幸福度ランキング(2024年 国連持続可能な開発ソリューションネットワーク)」 4位(日本51位/143ヶ国・地域)
・「ジェンダー・ギャップ指数(2023年 世界経済フォーラム)」 5位(日本125位/146ヶ国)


この他にも、
・「イノベーション指数(2023年 世界知的所有権機関)」 2位(日本13位/132ヶ国)
・「報道の自由度(2023年 国境なき記者団)」 4位(日本68位/180ヶ国・地域)、「腐敗認識指数*2(2023年 トランスペアレンシー・インターナショナル)」 6位(日本16位/180ヶ国) 
なども。スウェーデンは人口も少なく決して大きな国ではありませんが、様々な分野で各国の模範となり、注目を浴びる存在となっています。

*2 世界各国の腐敗や汚職を監視する国際的なNGOによるランキングで、腐敗・汚職が少ないほど高位

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Credit:vorDa

「人にやさしい」社会

税率が高いことでも有名かもしれません。スウェーデンの消費税率は25%と世界2位の高さ。しかしそれに比例するように、教育や医療・介護などの福祉政策が充実しており国民の安心感も高いといいます。スウェーデンは、第二次世界大戦に参戦しなかったため、実は日本よりも早い1960年代には高齢化に直面していました。世界に先駆けて高齢者を含めた全ての人の暮らしやすさについて考え、国をあげて福祉政策を進めてきた結果が今のスウェーデン。社会全体のシステム、そして生活の基盤である住宅においても「人にやさしい」という思想が深く浸透しています。

sweden_5 Credit:Kristina Sandin

「木の国」の住まい

スウェーデンは、日本と同じく「木の国」。厳しい自然環境に育まれた良質な木でつくられた家は、丈夫で耐久性に優れている等の特長があります。また木は修理やリフォームにも対応しやすいというしなやかさを備えているため、時代や住まい手の希望に合わせて性能をアップデートさせて住み継いでいくことができます。スウェーデンの住宅は、長期的に安定した暮らしを送れるように法律で様々なことが規定されているので、古い家でも快適な暮らしが叶うのです。例えば快適性などの観点からは壁の厚みや廊下の幅、また環境の観点からは省エネルギー性や耐久性などの規定があります。その結果、スウェーデンには築100年、200年の現役の木の家が数多く存在しています。

日本でも大人気のインテリア!

スウェーデンはもちろんのこと、北欧では多くの人がインテリアにこだわりをもっています。それは厳しい自然環境ゆえのこと・・・家の中でいかに快適に過ごすか、ということに心を砕いているからなのです。
スウェーデンの冬がスタートするのは10月頃からですが、その緯度の高さから日照時間はたった数時間と、とても短くなります。日中でも薄暗く、太陽を見かけることはほとんどありません。そんな暗く長い冬を、家で心地よく過ごすための工夫・・・それが北欧インテリアのベースにあるのです。デザインへの意識や、インテリアのレベルが高くなっていくのは当然の流れと言えるでしょう。美しさを追求するのと同時に“心地よく過ごすため”という何より大切で明確な目的があるからこそ、北欧のインテリアは多くの人に共感されているのです。

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北欧インテリアの特徴は、シンプル&ナチュラル。白やアイボリー、ベージュをベースカラーに、木を上手に組み合わせ、カーテンやラグ・クッションなどのファブリックでアクセントをつけていきます。また自然を身近な存在として捉え、自然との繋がりによって心が豊かになると考えるスウェーデンの人たちは、家の中にもたくさんの植物を取り入れて暮らします。その想いはファブリックにも通じており、植物や動物が描かれたデザインはとても多く、人々に好まれています。

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インテリアに限らず、スウェーデンにおけるデザインは「問題を解決すること」と言われます。スウェーデンのデザインは洗練された美しさが人気ですが、その魅力はそれだけではありません。子どもや高齢者、障がいのある人に配慮をして、「人にやさしいデザイン」「みんなに快適なデザイン」を、という課題を解決した結果、美しいデザイン・機能美を兼ね備えることとなったのです。そしてそのデザインに多くの人が支えられているからこそ、流行に関係なく時代を超えて長く大切にされています。

ここまで、スウェーデンという国について簡単に紹介してきました。みなさんのイメージ通りだったでしょうか?
さて次からは視点を変えて、「スウェーデン」と(株)スウェーデンハウスの出会いに触れていきたいと思います。

スウェーデンで運命の出会い。100年住み継げる住宅を日本にも!

イメージ8513 スウェーデンヒルズの街並み

スウェーデンハウスという会社の設立は、ある街づくりが原点です。その街は北海道の石狩に位置しており、現在はスウェーデンヒルズという名前で知られています。そもそもは1960年代に石狩エリアに一大コンビナート・石狩湾新港の建設構想が生まれたことに始まります。それに伴って新港関係者の居住地不足が問題となり、新たに住宅地を開発し、家を建てる計画が浮上したのです。その計画を担うことになった後のスウェーデンハウス創業者たちは、北海道の厳しい自然環境下に耐える高性能の住宅で、それまでの日本にはないような特徴ある街づくりができないかと考えます。また、街づくりと医療連携の可能性を探るべく、聖路加看護大学 学長(当時)だった日野原重明氏*3と共にアメリカや北欧を視察することに。日野原氏は将来の高齢化を先見し、医師として日本の高齢者医療の遅れに警鐘を鳴らしていたのです。こうして医療関係施設視察のために訪れた北欧で、創業者たちは、偶然スウェーデン住宅に出会うことになったのです。

*3 聖路加国際病院名誉院長。
医師として医療現場の最前線に立ち続け、2017年7月に105歳で亡くなる数ヶ月前まで生涯現役を貫いた。

 

思いがけず出会ったスウェーデン住宅━━それは、当時の日本の常識を覆すものでした。一体、どんな家だったのでしょうか? 

PICK UP!当時の日本は、大量生産・大量消費時代

当時、日本は高度経済成長期(1950年代中頃〜1970年代初め)真っ只中の大量生産・大量消費の時代。暮らしの中には、それまでの天然素材の商品の他にプラスチックなどの合成樹脂製品や合成繊維衣類、便利なインスタント食品や家電製品などが広がっていきました。経済発展第一の考えから、新商品をどんどん大量生産し消費する社会になっていたのです。それは住宅も同じで、わずか30年足らずで建てては壊すスクラップ&ビルドが繰り返されていました。
他方で1950年代後半からは、製品の安全性に関わる問題や公害、環境問題、エネルギー危機などが表面化し始めました。人々の中には物質的な豊かさを求める反面で、使い捨て消費を見直して心の豊かさを求める考えも芽生えていったのです。

スウェーデンヒルズについては「3分でわかるスウェーデンヒルズ」をご覧ください。
https://www.swedenhouse.co.jp/swedenhills/about/


なぜ「スウェーデン」の家なの?

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根底にある発想

スウェーデンハウス創業者たちが出会ったスウェーデンの住まい。その住宅は、日本の建築基準とは、ベースの発想から違っていました。日本の基準が住宅を「つくる」ためのものであるのに対し、スウェーデンの基準は人が安全で快適に「暮らせる」ということにフォーカスされていたのです。 建築基準の中心にあるのは「人」━━“人が心地よく暮らせる”という発想が住まいの根底にあったことに、創業者たちは深く共感したのでした。

健康を支える温熱環境

スウェーデンの冬の寒さは日本よりもかなり厳しいもの。そんな寒さ中で安全に快適な暮らしを送るためには、住まいにおける温度差が少ないことが重要です。スウェーデンでは建物性能がそれを叶えていました。スウェーデンハウスの創業者たちは視察の際、建築現場で家中を包み込む分厚い断熱材を見て驚いたといいます。

また前述したように、スウェーデンは日本より前に高齢化に直面し、多くの高齢者が自宅で安心して生活を送れるように努めていました。特に高齢になると体温の調節機能が低下してくるため、家そのものの断熱性能で快適な温熱環境を維持することは不可欠と言えます。

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環境配慮につながる省エネ

1976年当時、既に環境先進国として知られていたスウェーデン。住宅においては健康的で快適な温熱環境を第一に考えつつ、国レベルで省エネルギー・省資源の観点から住宅性能の向上に取り組んでいました。それを証するように、スウェーデンの建築基準は、1975年に世界に先駆けて住宅の気密性能を規定。建物の気密性能を高めることは、断熱性能や省エネ性能の向上、さらに省資源にも効果があるからです。
ちなみにこの基準は、その後に設けられたカナダの基準(1985年のR2000という断熱気密基準)や、日本の基準(1999年の次世代省エネルギー基準)のお手本にもなっています。
住まいが快適なのは大事なことですが、そのためにエネルギーを大量消費するのは問題です。光熱費がかかる上に環境への負荷が大きい住宅では、将来的に住み続けることは困難です。スウェーデンは50年近く前から国の基準として建物の高気密・高断熱化を定め、住宅の建築を徹底管理。持続可能な「快適と省エネ」を両立し続けています。

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思いやりから生まれた寸法

年齢や性別を問わず多くの人に使いやすい広さや寸法も大事なポイント。福祉の国スウェーデンの基準となる寸法は「だれもが使いやすい」という思いやりから生まれた1m20㎝。廊下やトイレの幅、階段の上り下りのしやすさなどに違いが現れます。例えば廊下を移動する際、小さい子どもと並んだり、大きな荷物を持ったり、怪我などで介助が必要だったり・・・車いすでの移動も視野に入れられています。どんな時にも気持ちよく安全に過ごせる住まいが、スウェーデンでは当たり前なのです。

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価値を深める家

最後にもう1つ・・・スウェーデンの住まいの常識は、「長く安心して暮らせる」こと。そのための必須条件が補修やメンテナンスのしやすさです。住宅に限らずスウェーデンの人々にとって、ものを大切にするのは当たり前のこと。その証拠にスウェーデンでは、築100年、200年の木造の家が、今でも現役ということが珍しくありません。 “良いものをつくって長持ちさせる”━━木の家には、それが出来ます。コンクリートや鉄などと違って、木の家はメンテナンスがしやすく、適切に手入れを続けることで家の寿命を伸ばせるのです。そのためスウェーデンでは、家は世代を超えて住み継ぐ資産と考えられ、「親の代で家を、子の代でサマーハウス(別荘)を、孫の代でヨットを」という言葉があるように、豊かさを深めていくのが一般的です。

スウェーデンの家こそが、日本が忘れかけていた本当の豊かさを実現するとものであると確信したスウェーデンハウスの創業者たちは、快適で高品質なスウェーデンの住まいを日本で提供しようと決心したのでした。

sweden_12 実験棟(スウェーデンヒルズ内 1980~)

日本に調和した「スウェーデンハウス」

「人として大切なもの」をスウェーデンの住まいに見た創業者たちは、日本での普及に向けて様々な調査を開始。日本の気候風土に合うように実験を重ねた結果、その性能は日本においても十分に発揮できると実証され、1984年3月、ついにスウェーデンハウスという会社が設立されたのです。当社が提供する住宅は当時から、木製サッシ3層ガラス窓を標準装備とし、次世代省エネルギー基準(1999年制定)をクリアしていました。
以来、今日まで日本の気候や文化に合わせて細かい改良こそ施されましたが、スペックもデザインも基本は同じ。(株)スウェーデンハウスは単に住宅をつくることを超えて、そこに暮らす人々の豊かな時間、そして健康な毎日を提供したいと考えています。

まとめ

今回はスウェーデンで生まれ、日本で育ったスウェーデンハウスの原点を紹介しました。地理的には離れていますが、スウェーデンの住まいや暮らしで大切にされていることは、私たちにも共鳴する部分が多いのではないでしょうか。その考えのベースには、心の豊かさがあるからです。スウェーデンハウスには高い住宅性能のみならず、スウェーデンの住思想が息づいています。モデルハウスを訪れた人からは「何だかほっとする雰囲気がある」と言われることが多くあります。それはアタマではなく、心や脳でキャッチする感覚なのかもしれません。ぜひ一度、いえ何度でも・・・モデルハウスにお越しいただき、スウェーデンの住まいのやさしさ、心地よさを感じてみてください。

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