前編では「結露」の種類やリスクについてご紹介しました。結露を防いで人と住まいの健康を守るためには、「高断熱」「高気密」「換気・通気」がしっかり備わり、結露が発生しにくい住まいを選ぶことが大切です。後編ではスウェーデンハウスを例に、それぞれの性能が、どのように結露による被害を防ぐのかをご説明します。
前編のおさらい:結露の種類・発生場所・被害・対策ポイント
まずは前編で紹介した、住まいにおける結露の種類・発生場所・被害について簡単におさらいします。下図をご覧ください。

結露による被害を防ぐためのポイントは、大きく分けて以下の4つの住宅性能に集約されます。
「冬型結露」の対策ポイント
① 「高気密・高断熱」性能……外気の影響を受けにくい室内環境をつくる
② 「計画換気」性能……………日常生活で発生する湿気を室内に溜めない
「夏型結露」の対策ポイント
③ 「通気」性能…………………構造体内部の湿気を外部に排出し、乾燥状態を保つ
④ 「防湿(気密)」性能…………室内で発生した湿気を構造体内部に入れない

スウェーデンハウスは結露による被害をこう防ぐ!
ここからは、上記の4つのポイントについて、スウェーデンハウスの具体的な結露対策をご説明します。
結露発生の根本的な原因として多いのは、気密性・断熱性の不十分さ。まず、住まいの中で最も外気の影響を受けやすく、結露が発生しやすい窓の性能からみてみましょう。
①高気密・高断熱 「木製サッシ3層ガラス窓」で防ぐ!

冬の結露は室内の暖かい空気が冷たい部分に触れることで発生するので、外気の影響を受けやすい窓周りは、結露対策において重要なポイントとなります。結露を防ぐには、窓に外気の冷たさを伝えないことが重要で、そのためには窓の気密・断熱性能を高めることが不可欠です。スウェーデンハウスは「木製サッシ3層ガラス窓」を標準装備。気密・断熱性能が非常に高いため、ガラスやサッシが冷えにくく、結露の発生を防ぎます。

「木製サッシ」&「3層ガラス」
━ ダブルで高い断熱性能 ━
木は断熱性の高い素材。例えば、その断熱性は樹脂の約1.4倍、そしてアルミの約1700倍にもなります。※1 そのため「木製サッシ」は冬でも外気の影響を受けにくく、触っても冷たさを感じません。さらにスウェーデンハウスの窓は「3層ガラス」。3枚の分厚いガラスと2つの中空層で構成され、中空層にはアルゴンガスを注入することで、更に断熱性能を高めています。窓の断熱性能で大切なのは、①ガラスの枚数と厚み、そして②ガラスに挟まれた中空層の数と厚み。2層ガラスに比べて「ガラスが2枚から3枚に増えた」だけではなく中空層も2倍になっているという点がポイントです。スウェーデンハウスの窓は「木製サッシ」&「3層ガラス」。ダブルで高い断熱性能を備えています。
※1 断熱性が高い=熱伝導率が低い



「約180度回転する窓」
━ エアタイト構造で高い気密性能 ━
スウェーデンハウスの窓は「約180度回転する窓」。窓を回転させて開閉するしくみによって、サッシの四辺すべてを窓枠にしっかりと密着させて閉めることができるため、高い気密性を備えています。一般的な引き違い窓は、構造上サッシと窓枠の間にどうしても隙間が生じます。こうした隙間から外気が入り込み、室内の空気とぶつかり結露が発生しやすくなります。スウェーデンハウスの回転窓ではサッシと窓枠が接する部分には、ぐるりと切れ目なく気密パッキンが設けられ(エアタイト構造)、まるで潜水艦のハッチのようにぴったりと密閉します。

PICK UP! 図解:スウェーデンハウスと一般的な窓の違い
下のイラストは、外気の影響が小さいスウェーデンハウスの窓と、外気の影響が大きい一般的な窓の違いを図解したものです。

このように、隙間が多い=気密性能が低いと、断熱性能をしっかりと発揮することはできません。外気の影響を受けにくい窓にするためには、気密性能と断熱性能をセットにして考えることが大切なのです。
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②計画換気 「24時間熱交換型換気システム」で防ぐ!

スウェーデンハウスでは「24時間熱交換型換気システム」を標準採用。このシステムは、室内各所に設置された吸気口を通して新鮮な空気を供給し(上図の青い矢印)、洗面所や廊下に設置された本体から、湿気や汚れた空気を回収し、屋外へ排出(上図の赤い矢印)することで換気するというものです。家全体の空気を2時間に1回以上入れ替えるので、空気は滞留せず、結露の原因となる余分な湿気もしっかり排出させることができます。また、換気時の熱ロスが少ないため、優れた快適性と省エネ性も実現します。
また、木には室内の湿度を調整しようとする作用があるため、窓やドア、階段などに天然木をふんだんに使用している点も、室内の水蒸気を減らす上でのスウェーデンハウスのメリットということができます。 |
③通気 「壁体内通気」「床下通気」で防ぐ!

日本の夏は高温多湿なので、夏に発生しやすい内部結露を防いで建物の耐久性を高めるためには、常に構造体を乾燥した状態に保つことが重要です。スウェーデンハウスは「通気工法」を採用し、床下、外壁の中から屋根裏までを常に通気させて構造体を乾燥状態に保ちます。壁や床、屋根などの各部位に風の通り道をつくり、空気や湿気を滞留させないことで結露を防いでいるのです。
「床下通気」
床下には風の通り道を作る基礎パッキンを、家の全周に施工。あらゆる方向に湿気の逃げ道を作り、床下を効率よく換気し、乾燥状態に保ちます。
「壁体内通気」
外装材と外壁パネルの間には通気層を設け、常に下から上に空気が流れています。外壁パネル内の空気に含まれる水蒸気(湿気)は、徐々にパネルから通気層に移動し、最終的には軒天換気口や屋根の棟換気口からスムーズに屋外へ排出されます。

PICK UP! 床下のシロアリ対策にも有効!
基礎パッキンは、床下を湿気から守るだけでなく、光や乾燥を嫌うシロアリを寄せつけない環境づくりにも有効です。さらにスウェーデンハウスでは、防蟻薬剤による土壌処理や防湿コンクリートを採用し、シロアリの侵入を防いでいます*。 *地域と基礎形状によって仕様が異なります。
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④防湿(気密) 防湿気密フィルムで防ぐ!
構造内部を乾燥状態に保つために「通気」とともに重要になるのが「防湿(気密)」対策です。スウェーデンハウスは、地面からの湿気に対しては防湿フィルムを敷いてシャットアウト。また、室内で発生した湿気の外壁パネルへの侵入を防ぐために、外壁パネルの室内側に「防湿気密フィルム」を隙間なく施工しています。
「防湿気密フィルム」で“無滴”を叶える
スウェーデンハウスは、外壁パネルに充填された断熱材(グラスウール)を「防湿気密フィルム」で覆うことで、室内から発生する湿気が壁体内に入るのを防ぎます。もし防湿気密フィルムが施工されなかったり、破れや隙間だらけだったりすると、室内で発生した水蒸気が壁体内に入り込み、壁体内結露の危険性が高まります。スウェーデンハウスで採用しているのは、0.2㎜厚のスウェーデン製防湿気密フィルム。日本で一般的に用いられる0.1㎜厚のものに比べ、耐久性・防湿性に優れています。
また外壁パネルの外側には「透湿防水シート」を隙間なく施工します。透湿防水シートは、分子の大きい水分は通さず、分子の細かい水蒸気のみを通すという素材。外部からの水滴は侵入させませんが、万が一、壁内で湿気が発生した場合には通気層を抜ける空気とともに速やかに外へ逃します。

PICK UP! 「グラスウール」だからできる結露対策
壁や床の中の断熱材は、隙間なく充填することが重要。隙間やたるみがあるとそこに空気の流れが生まれて温度差が生じてしまい、内部結露の原因となります。スウェーデンハウスが採用しているグラスウールという断熱材は弾力性に優れ、隅々まできっちりと、隙間なく充填することが可能です。またグラスウールは吸湿性をもたず無機質素材なので、乾燥状態に保たれた外壁や床、屋根裏の内部で長期にわたって高い断熱性能を発揮し続けます。 実は一部では、グラスウールは水分を含みやすいため内部結露を起こしやすいという誤解があります。かつて間違った方法で施工された結果、性能を発揮できなかった事例によるものです。どんな断熱材でも施工が不適切であればその効果を発揮できない可能性があります。適切に施工されたグラスウールは、結露のリスクを抑えるために有効な断熱材といえます。
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まとめ
今回は、家族の健康や建物の耐久性に深くかかわる結露についてご紹介しました。住まいの結露を防ぐためには、高断熱・高気密・計画換気といった住宅性能の総合的なバランスが欠かせません。日本では昔から通気や風通しを重視した家づくりが行われてきたため、気密性は見落とされがちです。気密性を高くすると風通しが悪くなりそう…というのは全くの誤解で、気密性が低いと断熱性が十分に発揮されず、計画換気もできません。また、床下・壁内・屋根裏などの通気や防湿を適切に行うためにも、家全体の高気密化は必要不可欠です。特に近年は、夏の気温上昇によって内部結露のリスクが高まっており、これまで以上の対策が求められます。もちろん、冬の表面結露によるカビや健康被害にも十分注意が必要。一年を通して快適で健康的な暮らしを実現するためには、構造・性能の両面からしっかりと結露対策が施された住まいを選ぶことが大切です。スウェーデンハウスは、結露を防止するための高い性能を備えた住まい。一年中建物をカラリと快適な状態に保ちます。ぜひお近くのモデルハウスでその心地良さをご体感ください。