スウェーデンハウスの“知りたい”がわかるお役立ち情報メディア

  • Instagram
  • Facebook
  • YouTube
  • Twitter

Sweden house

「全てのスウェーデンハウスが快適であるために」The History of Sweden House

この記事の目次

1999年、スウェーデンハウスでは、全棟高性能保証表示システム「CQ24」が誕生し、全棟でのお引渡し前のC値測定が開始されました。当初は「無謀」とまで言われたこのプロジェクトが実現し、今日まで継続してこられた背景には、社員たちの熱い想いと、それを理解し、評価してくださった多くのお客様の、貴重なサポートがありました。
掲載号:The SWEDEN HOUSE No.127

全棟高性能保障表示システム「CQ24」を振り返って

1999年3月「次世代省エネルギー基地」が告示されるやいなや、住宅業界では「断熱性」「気密性」という言葉が話題に上るようになりました。冷暖房を前提とした住居にとって、省エネルギーな暮らしの鍵となるのは断熱・気密性能である――国(通産省・建設省)がそれまでの基準に比べてQ値(熱損失係数=断熱性能を表す数値)とC値(相当隙間面積=気密性能を表す数値)を大幅に見直したのです。

実は、C値という言葉が流行するずっと前から、スウェーデンハウスでは定期的に気密測定を行っていました。最初の測定は25年前、北海道に建てられた実験棟での換気回数測定。その数年後、発売されたばかりの気密測定器を購入(当時、高級車が一台買える程、高価な機器でした)、以来モデルハウスなどを利用しながら、気密測定を行い、貴重なデータを蓄積していきました。

高い断熱性を誇るスウェーデンハウスの、住宅としての性能を100%機能させるには、隙間の少ない住宅であることが大前提。一定のC値レベルをキープするとことは暮らしの快適を守ること――私たちにとって「気密性」は、創業当初から妥協できない大切なものだったのです。

C値低く高気密な家

「そんなことができるだろうか」「夢のような話だ」

「次世代省エネルギー基準で強化されたC值の基準。しかし、実際にその数値をクリアできる住宅は多くありませんでした。クリアしなくても罰則はなく、クリアしたとしても何の優遇措置もない...多くのハウスメーカーは机上の計算によってC値をクリアする新商品を一旦は発表しましたが、高価だったために積極的な販売はせず、普及もしなかったというのが現状です。また、自社のモデルハウスのC値を測定し、「うちの住宅の気密性はこのくらいです」と提示するだけのメーカーも多く、間取りや施工精度で大きく変わるC値の扱いとして、適切でない表現も増えてきました。

しかし、スウェーデンハウスでは、基準を満たすための新商品開発などしません。普通の施工で充分に基準値をクリアできるということは、長年蓄積されたデータが物語っていたからです。

同じ土俵に乗りたくない。スウェーデンハウスの確かな「質」をお客様にはっきりした形で提示したい――それならば、一棟一棟、お引渡しの前にC値測定を行い、「間違いなく高気密・高断熱の良い家ができた」と胸を張ってお引渡しをしたらどうだろう――営業部門から出された提案への反応はさまざまでした。「測定している時間がない」「コストの間題は?」「保証する数値に達しない場合、不具合な箇所を特定できるだろうか」「抜き打ちで10棟に1棟にしてはどうか」――賛同する意見はなく、提案は一旦見送りということになりました。

「施工精度が上がります、やりましょう」


しかし2週間後、状況は一変しました。当時の社長(羽山定克)が「全棟気密測定を前向きに考えよう」という方針を打ち出したのです。関係各者からは猛然と反対の声が上がりましたが、「施工精度が上がるはず」という当時の工事部長の一言が反対派を一蹴し、より良い家づくりと、お客様の快適のために、プロジェクトはスタートしました。

また、優れた断熱性能と、高気密住宅用の24時間換気システムとを合わせ、「CQ24」と名付けられた保証表示システムの構築を同時進行させることも決定し、全社を挙げて多忙な日々が始まりました。現場の職人さんたちにとってのプレッシャーもかなりのもの。一棟一棟C値を測るということは、少しでもミスや甘えがあれば、数値になって表れるということなのです。

「最初は無謀な話だと思いました。しかし、施工精度を上げることは私たちとしても望むところでしたし、蓄積データから「普通にやっていれば良いC値が出る」という自信もありました。まずは気密測定器を支社・支店の数だけ購入し、多くの社員が気密測定士の試戦を受けました。そして実際に手を動かす職人さんや電気・水道業者さんに対しては、実際に現場で気密測定をしながら、隙間風が入ってきやすい場所をチェックしてもらい、施工のポイントを再確認してもらう――みんなよく頑張ったと思います。これだけ"常"に良いC値が出ているのですからね」と振り返るのは当時の開発部の担当者。

「いくつかのお宅でC値の経年変化データもとっていますが、5年経っても、9年経っても、竣工当時とほとんど変化が見られません。想定内ではありましたが、実際の数値を見ると改めてすごいことだと思います」。

お客様のご理解と評価が、何よりの励み

こうして、スウェーデンハウスの全棟高性能保証表示システム「CQ24」は立ち上がりました。

モデルハウスの測定位を全ての住宅に当てはめるのではなく、一棟ごとにきちんと性能を確認し、お引渡しをする。当たり前のようで、誰もやろうとしなかったこのシステムを、スウェーデンハウスは日本で初めて実現させました。結果、社員や現場のモチベーションは上昇し、「良い家を作っているのだ」というプライドを生みました。そしてこの姿勢を理解し、評価してくださったお客様に支えられ、次世代に誇れる高気密・高断熱の家を建て続けることができました。お客様からいただく「とても快適です」という言業で、私たちはこの取り組みが意味あることだと再確認することができます。誌面を借りて、厚く御礼を申し上げます。

今後も気を緩めることなく、一棟一棟気持ちを新たに、測定を続けて参ります。そして、「CQ24」をベースに、本当に快適な住宅を皆様にお届けできるよう、努力を続けて参りたいと思います。

次世代に誇れる高気密・高断熱の家

  • メルマガ登録