「グリーンと暮らせば ❿」グリーンカーテン

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巡ってくる季節が待ち遠しい――。そんな「身近な花と緑の世界」。スウェーデンハウスオーナーでもあるプロガーデナーが、ご案内します。

掲載号:The SWEDEN HOUSE No.185


強い日差しをやわらげ、冷房効率アップが期待できるグリーンカーテン。我が家では太陽を好み、秋に落葉する葡萄の木をグリーンカーテンに仕立てています。葡萄は蔓性なので、ワイヤーを利用し誘引すれば、ゴーヤーや朝顔と同じように、思い通りの場所に美しい緑の日陰をつくることができます。夏の終わりに収穫できるのも嬉しいところ。小鳥や虫に食べられないように、一房ずつ袋がけするのは少し大変ですが、摘みたての葡萄の甘酸っぱい美味しさを思えば何のその。たくさん収穫できた時には、冷凍保存しておいて、ジュースにするのもオススメです。市販のものとは一味違う、濃厚で味わい深いジュースが楽しめますよ。

green_10_01葡萄の蔓をユーカリの木まで伸ばしてつくった緑の天蓋。

green_10_02窓越しに見る色づいた葡萄は、まるで絵画のよう。

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<ジュースの材料>
●葡萄
●砂糖(葡萄重量の20 〜30%)
●レモン汁(適宜)
●水(葡萄重量の1/4程度)※水を使わなくてもできますが、甘みが凝縮するので砂糖は少なめにします。

green_10_04夏の終わりの収穫と自家製のジュースは、家族のお楽しみ。

<つくり方>
①房から外し、傷んだものを選別しながら丁寧に洗う。
②水を切って、密封できる袋に入れ凍らせる。
③凍らせた葡萄にその他の材料を加えてアクを取りながら20分程度煮る。
④漉し器、なければキッチンペーパーを利用し、葡萄を潰したりせず、自然に果汁が落ちなくなるまで、時間をかけて漉したら完成。
※濃縮ジュースなので、炭酸やお酒で割っても美味しくいただけます。


<収穫するためのコツ>
■ 植える種類
葡萄にはアメリカ種やヨーロッパ種、二つを交配した欧米雑種がある。一般的にアメリカ種や欧米雑種は育てやすいのでオススメ。
■ 水やり
地植えの場合は、植えた直後以外は、基本、必要なし。鉢植えの場合は表面が乾いたら、鉢底から水が溢れ出るまで水をあげる。
■ 肥料の与え方
冬に油粕や骨粉、腐葉土、糠などの有機肥料をあげる(我が家では、葡萄の木の側にコンポストをつくっているので、コンポストでできた土も肥料にしています)。
■ 誘引
葉が落ちる冬に、グリーンカーテンが欲しい場所にワイヤーを張るなどし、誘引する。
■ 剪定
6月頃になると新しい枝が伸びて葉が茂るので、実に日が当たるように、実がない枝や、細い枝を切る。また、栄養は、木の上(高いところ)に向かう性質があるので、グリーンカーテンを欲しい場所よりも高いところに伸びた蔓は切る。
■ 花房の整理
咲いた花の全てを結実させると、実が付き過ぎてしまうので、開花し始めの頃に花房を間引く。
■ 袋かけ
実が色づき始めたら、小鳥や虫の食害や、雨や風で実を傷めないために袋がけを行う。
■ 収穫
8 月から10 月初旬に収穫(品種によって変わる)。

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<vol.09 「グリーンと暮らせば 」 vol.11>

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