スウェーデン語【自然】
森と湖の国スウェーデン。人々は「自然と共に」そして「自分自身も自然体で」という思いを持って暮らしています。自然はみんなのものであり、土地所有者の許可なく自然の恩恵を共有できる「自然享受権」という独特な権利も認められています。生活の一部、生き方の基盤となるキーワードです。
掲載号:The SWEDEN HOUSE No.186
家にいる時間が増えたので、ずっとやりたいと思っていた家庭菜園を始めることにした。美しい花もいいけれど、ハーブや野菜、何か収穫が楽しめるものがいい。種を蒔き、苗を植えると、途端に次の朝が待ち遠しくなるから不思議だ。自分の手から生まれた小さな命。成長が気になって仕方がない。
土を触っていると、どうしてこんなに落ち着くのだろう。土の表面をぽんぽんとならす時の充足感、水遣りの後の達成感。スウェーデンの人たちは“ 私たちは皆ファーマー、本当は誰もが自然の中で土を耕しながら過ごしたいと思っているのだ”と言っていた。陽を浴び、土に触れていると、確かにその気持ちがわかってくる。
スウェーデンの暮らしは、土や太陽、植物のすぐそばにある。暗く長い冬にはわずかな光が差す窓辺に植物を並べ、自宅に庭がない人たちは、コロニーロットという市民農園で土と触れ合う。そうやって、自然と向き合うことで、自分たちも自然体に戻り、フラットな気持ちを取り戻すのかもしれない。
今朝、二十日大根が小さな花をつけた。華やかさはないけれど、実をつけるという生命力に溢れてとても綺麗だ。自然の恵みをいただく感謝と喜びが、胸いっぱいに溢れてきた。
<ソンマルストゥーガ ミュークの扉 スロイド>