掲載号:The SWEDEN HOUSE No.187
児童文学作家リンドグレーンの作品は多くの国で翻訳されている。ロッタちゃんシリーズ、ピッピシリーズ、やかまし村の子どもたちなどは、世界中の児童に現在も人気だ。ロッタちゃんの映画も、愛らしく秀逸。
2019年末、映画「リンドグレーン」を岩波ホールに観に出かけた。それは、作家になる前の青春時代のストーリー。手抜きしないリアルは北欧映画の持ち味かもしれない。美しいスモーランドの風景が辛い青春をいっそう浮き立たせていた。
この生家の赤い家は、作家時代に夏の家として楽しみ、執筆もしていたと地元の人から聞いた。ここからエミール、ピッピなどが生まれ巣立っていった。そんな人生後半の作家の姿も映画で見たかったなあ、と思ったのは私の贅沢な願いかもしれない。
(現在はリンドグレーン博物館が出来ています。この実家に良く似ているが、少し違う)
① リンドグレーンが育った実家
② この時代のランプの灯り
③ スモーランド地方でみられた昔のキッチン
Prof ile
深井せつ子
画家。北欧各国の清涼な風景に魅かれ、北欧行を重ねながら、個展・出版等で作品の発表を続けている。絵本に『イェータ運河を行く』、『風車がまわった!』、『一枚の布をぐるぐるぐる』など。北欧絵本『森はみんなの保育園』は昨年10月に出版された(全て福音館書店)。
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