掲載号:The SWEDEN HOUSE No.179
秋にスウェーデンを訪れた。今回はストックホルム市電、郊外電車、特急列車を楽しんだ。
南部のスコーネ地方をひた走る電車の車窓風景はことに魅力的。
マルメから北に向かう時、左手に海が見える。対岸の陸地はデンマークだ。右手側は緩やかなカーブを描く田園。時おり屋敷林と農家があり、また田園になり森があり…。
ぼうっと見つめながら、私は思った。どうして、こんなに昔のままの風景が残せるのだろう? あの農家では、どんなクリスマスを迎えるのだろう?
11月にスウェーデンを題材にした絵本を出版した。古い木の家具にはたくさんの暮らしの知恵が詰まっているよ、という絵本。でも、その中に「この国では、こうして森林を大切にして、森と人が共に生きているんだよ」というメッセージを込めた。
Prof ile
深井せつ子
画家。北欧各国の清涼な風景に魅かれ、北欧行を重ねながら、個展・出版等で作品の発表を続けている。絵本に『イェータ運河を行く』、『風車がまわった!』、『一枚の布をぐるぐるぐる』など。北欧絵本『森はみんなの保育園』は昨年10月に出版された(全て福音館書店)。
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