前編では大地震の際にも「揺れにくい」「変形しにくい」、スウェーデンハウスの「モノボックス®構造」について、実験結果を交えながら、その仕組みをご紹介しました。後編ではその強さを支える各部位に、どのようなこだわりの技術と工夫が隠されているのかを解説します。「なるほど!だからそんなに強いんだ!」と納得していただける、安心の理由をお届けします。
「モノボックス」とは「”モノ=1つの”箱」という意味。床・壁・屋根の6面を強固につなぎ合わせ、家全体が一体化した一つの堅い箱のような構造になっていることを表しています。6面体であることは2×4などの「壁式工法」と同様ですが、スウェーデンハウスの「モノボックス®構造」は各面そのものの剛性を極めて高く保ち、さらに面同士を隙間なく一体化させることで、力を受けても歪みにくい「堅い箱」を実現。このこだわりこそが、「モノボックス®構造」を採用し続ける理由なのです。
―北欧の木々が可能にする「堅い箱」―
スウェーデンハウスでは北欧の厳寒な気候条件の中でゆっくりと育った、樹齢80年前後の木材を構造材に使用しています。木目が密に詰まり品質が安定しているため、堅さと粘り強さを兼ね備え、「モノボックス®構造」を力強く支えています。採用している木材は、EU加盟国基準を満たす「CEマーク」認証を取得しており、日本国内でも建築物に使用できる木材として国土交通大臣の指定を受けたものです。
―主要構造部である窓・壁パネルは、厳格な品質管理のもと自社工場で製作―
木材加工からパネル製造までスウェーデンの自社工場で一貫生産。気候や人的条件に左右されず、均一で高い品質を保てるのも、スウェーデンハウスの強みです。一般的な2×4工法では建築現場で壁や床の組み立て作業を行なうため、どうしても品質にばらつきが出やすくなります。
業界最高レベルの床根太!強い床組で揺れを分散
床組は面材と枠組材を一枚板のように強固に一体化させた、水平ダイアフラム構造。業界最高レベルの分厚く強い床根太が、あらゆる方向からの水平力をしっかりと受け止めて、壁パネルや基礎へ均一に伝達します。また、2階の床根太には木材特有の反りやねじれ、収縮などが少ないエンジニアリングウッド(※3)を採用。高い強度と安定性で暮らしの安心を足元から支えます。
※3.あらかじめ強設計された強度を持つよう、複数の木材を組み合わせて製造した素材。
2×4材の約1.6倍!超骨太枠材の「木質壁パネル」
木質壁パネルの枠材には、一般的な2×4材の1.6倍もの断面積を持つ、高強度の構造材を採用しています。断面積が大きいほど、積雪等の上からの力に対する圧縮強度も向上します。
スウェーデンハウスは外壁パネルの枠材の両面に構造用合板を貼り、さらに室内側には石膏ボードを重ねて頑強に一体化。一般的な2×4(2×6)工法では室内側に合板を貼らず、石膏ボードのみとするのが主流で、強さ・堅さに大きな差が生まれます。
完成した木質壁パネルはそれ自体が堅い箱のような強度を持ち、「モノボックス®構造」の基盤となっています。
屋根全体で力を受け止める。上からの力にも安心
スウェーデンハウスの屋根は屋根面材と小屋組を一体化させた構造により、屋根全体で上から加わる大きな力を受け止め、耐力壁へと分散させます。
木質壁パネルは、隣り合うパネルの枠材がダブルになるため、2×4(2×6)工法よりも強靭な構造体となります。さらに外壁パネルおよび内壁パネルには下図のように横桟を2本配置し、面の剛性を大幅に向上。
そして、これらの強固な壁パネルを結びつけるのが、「頭つなぎ」です。こうして、「モノボックス®」という名の通りの一体化した箱が形作られていきます。
「モノボックス®構造」に欠かせないのが、接合金物です。スウェーデンハウスでは数十種類の接合金物を使用し、部材一つひとつを密接に結びつけて一体化させていきます。
【帯金物】
床組みと壁パネル、1階と2階を固定する帯金物。一般的な2×4工法で使用されるのは下図のように開口部の両端や建物の隅に限りますが、スウェーデンハウスでは全ての壁パネルの両端に使用します。数は圧倒的に多くなり、施工にも高い技術と手間を要しますが、巨大地震や繰り返しの大きな揺れに耐える強靭な家を追求する、「堅い箱」を作るためには重要な工程だと考えています。
【アンカーボルトとホールダウン金物】
アンカーボルトは土台とコンクリートの基礎を、ホールダウン金物は壁パネルと基礎を連結する金物です。地震の際に建物が土台からズレないように、上下に揺れても浮き上がらないように、それぞれの金物でしっかりと固定します。
【ギャングネイルとハリケーンタイ】
木材同士の接合部分を補強。地震や強風だけでなく、風の吹上げによる屋根の浮き上がりや破損を防ぎます。
ギャングネイル:木材同士の接合部を確実につなぎとめ、耐久性、安定感に優れた木質トラスを形成します。
ハリケーンタイ:屋根を壁パネルにしっかり緊結する接合金物。台風などの強風による屋根の破損を防ぎます。
このように、6面すべてが非常に強く作られており、その面同士を強固な接合金物で緊結した「モノボックス®構造」。この「面の強さ」と「接合の強さ」の両立こそが、スウェーデンハウスが誇る「モノボックス®構造」の秘密です。
PICK UP! 大地震にも強い「木製サッシ3層ガラス窓」地震発生時、火を使っている場合はすぐに火を消し、窓とドアを開ける…そう教わり、実行している人は多いのではないでしょうか。これは火事を防ぎ、脱出口を確保するため。過去の地震では、建物の歪みにより窓やドアが開かなくなる事例が多くありました。 スウェーデンハウスの「木製サッシ3層ガラス窓」は壁と窓枠との間にクリアランス(ゆとり幅)を設け、左右2か所ずつボルトで留め付けられています。この構造により地震の揺れが窓に伝わりにくく、大地震の後でも開閉に影響が出たり変形したりせず、窓がその機能を維持できるのです。 「もしも」に強い「木製サッシ3層ガラス窓」について詳しく知りたい方は コチラ |
大地震発生時、大切な家族の命とその後の生活を守ってくれるのは、揺れにくく、変形しにくい住宅です。もはや「万が一」とは言えない確率で、発生が予測されている大地震。今回は「地震に強い家」について、そしてスウェーデンハウスの大地震に耐えうる家づくりについてご紹介しました。ここでお伝えした耐震性能は、オプションではなく全棟に標準装備されています。さらに、東日本大震災や熊本地震等といった過去の大規模地震においても、スウェーデンハウスには地震による大きな被害がなかったという事実があります。これから家づくりを検討されている皆さんには、ぜひ一度「モノボックス®構造」の仕組みや強さを実際に見て、触れて、納得していただきたいと思います。建築後には見えなくなる箇所も、モデルハウスの構造展示やホームコンサルタントの説明で、しっかりとご確認いただけます。