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耐震等級1~3は何が違う?地震に強い家づくりの基礎知識

作成者: スウェーデンハウス|2025.10.06

日本は地震大国といわれるほど地震の発生率が高く、これまで全国各地で地震による大きな被害を受けてきました。そのため、毎日の暮らしに欠かせない住宅において「耐震性」が重要視されています。
耐震とは、建物が地震の揺れに耐えられるよう構造躯体を強化する地震対策のこと。住宅の耐震性能は、地震が発生したときに建物がどの程度耐えられるかを示す指標です。「耐震基準」と「耐震等級」の2つの指標があり、それぞれ異なる意味を持っています。本記事では耐震等級について解説します。

耐震等級とは?

耐震等級とは地震に対する建物の強さを表す指標で、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく住宅性能表示制度の評価項目の一つです。1~3までの等級で評価され、数字が大きいほど建物の耐震性能が高いことを表しています。

 

耐震等級を決める3つのポイント

耐震等級には、以下の3つのポイントがあります。

①建物の重さ

建物の重さは、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造などの構造の違いに加え、屋根の素材によって異なるのが一般的です。建物が重いほど地震の影響を受けやすく、反対に軽いほど影響を受けにくくなります。

②耐力壁、柱の数

建物の耐力壁と柱の数によって、耐震性が異なります。柱は、垂直方向にかかる力に耐えるための構造材です。これに対して、耐力壁は地震や風などの水平方向からかかる力に抵抗し、建物の変形や倒壊を防ぐ役割を持ちます。
耐力壁や柱の数が多い建物ほど水平・垂直方向にかかる力に対して強くなりますが、どちらもただ単に増やせばよいわけではありません。配置に偏りがあると建物の強度を下げる原因にもなりかねないため、適切な配置が求められます。

③基礎・床の耐震性

建物の基礎部分や床の耐震性も、耐震等級を決めるポイントです。基礎は建物にかかる力を地面に伝える役割を持ち、不同沈下や倒壊を防ぐためにも欠かせません。建物がどれだけ強度の高い構造になっていても、基礎が脆弱だと倒壊しやすくなってしまいます。
また、床は建物の水平方向の揺れを建物全体に分散させて耐力壁に伝える役割を持ちます。床面積が限られた建物では、建物全体の耐震性に影響を及ぼす可能性があるため、設計段階で適切な補強や構造計画を行うことが重要です。

 

耐震基準との違い

耐震基準は、建築基準法で定められた建物の倒壊を防ぐための最低限の基準です。一方、耐震等級は品確法に基づいた任意の評価指標で耐震基準をもとにした性能の段階評価です。耐震基準は人命を守ることが目的であり、耐震等級は人命に加えて建物自体も守ることが目的である点が明確な違いです。

耐震等級1・2・3は何が違う?

先述のとおり、耐震等級は1~3の3段階に分けられます。それぞれの特徴や違いは以下のとおりです。

 

耐震等級1

耐震等級1は、建築基準法で定められている最低限の耐震性能を満たす水準です。具体的には、以下の強度を基準としています。

 ● 数百年に一度程度発生する規模の地震による力(震度6強~7相当)に対して、倒壊・崩壊しない
 ● 数十年に一度程度発生する規模の地震による力(震度5強相当)に対して、損傷を生じない

上記基準の場合、建物が倒壊・崩壊はしないものの、震度6強~7の大地震によって一定の損傷を受ける恐れがあります。そのため、地震発生後には補修、場合によっては建て替えが必要になる可能性がある点に注意しましょう。

 

耐震等級2

耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の耐震性を備えています。以下が具体的な基準です。

  ● 数百年に一度程度発生する規模の地震による力(震度6強~7相当)の1.25倍の力に対して、倒壊・崩壊しない
  ● 数十年に一度程度発生する規模の地震による力(震度5強相当)の1.25倍の力に対して、損傷を生じない

災害時に避難場所となる学校や病院などの公共施設は、耐震等級2の基準を満たしている必要があります。また、長期優良住宅の認定条件は、耐震等級2以上となっています。一般的な住宅としては高い耐震性といえるでしょう。

 

耐震等級3

耐震等級3は耐震等級1の1.5倍の耐震性を備えた水準で、具体的な基準は以下のとおりです。

  ● 数百年に一度程度発生する規模の地震による力(震度6強~7相当)の1.5倍の力に対して、倒壊・崩壊しない
  ● 数十年に一度程度発生する規模の地震による力(震度5強相当)の1.5倍の力に対して、損傷を生じない

現行の耐震等級でもっとも高い水準であり、災害時の救護活動・災害復興の拠点となる、消防署や警察署などの建物に求められる強度です。平成28年に発生した熊本地震では多くの住宅に倒壊などの被害がありましたが、耐震等級3で建てられた住宅は倒壊や大規模な損傷が極めて少なく、多くが軽微な被害にとどまりました。万が一の地震の影響を最小限に抑えたい場合は、耐震等級3の住宅を検討するとよいでしょう。

出典:https://www.mlit.go.jp/common/001155087.pdf

耐震等級を高くするメリットと注意点

上述のとおり、耐震等級は3段階に分けられますが、等級を高くすることで以下のようなメリットを得られます。

  ● 災害時の住宅へのダメージを軽減できる
  ● 住宅ローンの金利優遇が受けられる
  ● 地震保険の割引率が上がる
  ● 売却時に高く売れやすい

安心して長く暮らすことができる点が大きなメリットですが、ほかにも地震保険料の割引適用や住宅ローンにおける金利優遇など、経済的なメリットも享受できます。耐震性の高い住宅は資産価値も上がり、売却する際に一般的な住宅と比べて高い評価を得られる可能性があるでしょう。

ただし、以下のような点にはあらかじめ注意しておいてください。

  ● 建築費用が高くなる可能性がある
  ● 間取りに制限が生じる可能性がある

耐震等級を高めるには、その分だけ人件費や材料費がかかるため、建築費用が高くなりがちです。また、耐震性能を高めるためには、建物の構造・設計に制限が生じやすくなります。そのため、建物の形状や間取りにこだわりが強い場合には、希望をすべて叶えられない可能性があります。

ただし、耐震性の高い住宅には安心して長く住み続けられ、建築後には税制優遇措置などを受けられます。長期的に見ると、トータルコストは安く抑えられるでしょう。

地震に備えるなら耐震等級の高い家を!

耐震等級は建物の耐震性を示す指標となり、日々の暮らしや有事の際に大きな影響を与えます。どの耐震等級の家を建築するかは施工主が決められますが、家族の大切な命を守るためにも、耐震等級の高い家にするのが望ましいでしょう。

2024年1月1日に発生した能登半島地震では、耐震基準の違いによって被害状況に大きな差が見られました。特に2000年基準を満たす建築物の中では、木造住宅が被害を受けにくいという結果が示されています。これらの調査結果からも、地震に対しては耐震等級の高い木造住宅が信頼性の高い構造であるといえるでしょう。

※出典元:(綜合マーケティング・ビューロー書籍「2025report」)

スウェーデンハウスは、木造住宅の中でもトップクラスの耐震性能を誇ります。東日本大震災や熊本地震等、過去の大規模な地震においてもスウェーデンハウスは地震による大きな被害が報告されていないという事実もあります。これから家づくりを検討される方は、ぜひスウェーデンハウスのモデルハウスでその安心感をご体感ください。最高水準の耐震性能と、長く住み続けられる住まいづくりの理由をホームコンサルタントが詳しくご説明します。お客様の希望するプランや商品、地域、敷地・地盤条件などによっては一部性能等級が異なる場合がありますので、詳しくはご相談ください。

 

[筆者プロフィール]

阿孫 沙綾(あそん さあや)

不動産エージェントおよびWebディレクター兼ライターのフリーランス。11年間で不動産売買・賃貸の仲介業、実需や収益不動産の仕入れ・販売業務を経験し、現在は個人エージェントとして活動中。また、幅広いジャンルの不動産業務に携わった経験を活かし、不動産・宅建ジャンルを中心に執筆や編集も行う。