「木の家が、こんなにも優しく頼もしいなんて」 ━━ これはスウェーデンハウスに暮らすオーナーさんのリアルな言葉。まるでカルチャーショックを受けた時のような驚きだと話されます。木に親しみを感じ、木の家・スウェーデンハウスの特徴と魅力を分かった上で新生活をスタートされたそうなのですが、その想像を超えてきた“木の優しさと、高い性能”・・・。今回の記事は、木そのものの魅力からスタートし、木の家の、またスウェーデンハウスならではの優しさと強さにも迫りたいと思います。きっと、新たな木の魅力に出会えるはずです。
人には自然とつながりを求めたいという感覚、潜在的な自然への憧れが備わっていると言われます。ですから、私たちが森林浴などでリラックスした気分になるのは、本能からくる感覚なのです。そして「木」という素材のすごいところは、森林に出かけていかなくても、身近に木製のものがあるだけで、ほっとした気分になること。リラックスをはじめとする「木」の効果は木が森林から切り出され、建材になった後も引き継がれるのです。日常的に自然と触れ合うことが難しくても、私たちの五感は暮らしの中にある身近な木から、その効果を感じ取れるというわけです。では早速、五感で感じる木の効用を順番に見ていきましょう。
「触覚」は手や足の裏(靴を脱いで暮らす日本人にとっては影響が大きい)など、肌に触れた時に感じる感覚のこと。木には独特の柔らかさ・弾力と、ぬくもりがあり、触ることで私たちに心地よさをもたらしてくれます。木は、たくさんの空洞の集まりから出来ているので熱が伝わりにくく温かく感じられることも、大きく影響しています。木のベンチに座ることをイメージしてみてください。木は熱を伝えにくく、座った時に私たちの体温を奪わないので心地いいと感じるのです。
目で見る感覚が「視覚」です。脳は五感からの情報の内、80%を視覚から得ているため、「視覚」は人間に最も大きな影響を与える感覚です。木目は“ゆらぎ”とも言われる、自然から生まれた美しさを持っています。この自然由来のリズムによって、木目を見ると心身が癒されます。また木材は、紫外線を吸収して赤外線を反射させる性質があるために、眩しさを抑え、視覚的な温かみや心地よさを感じさせてくれます。
「臭覚」は鼻で嗅ぐ匂いの感覚。木に含まれるフィトンチッドという成分の香りは、気持ちを落ち着かせ、血圧を下げる働きがあり、脳に良い刺激を与えることが確認されています。リラックス効果と脳の活性化が相まって集中力が高められるために、学校の校舎も全国的に木造が増えてきています。
耳で聞く感覚、「聴覚」。木は音を響かせる効果と吸音機能を持っています。木材はピアノ、バイオリン、ギターなど多くの楽器に使用されていますし、コンサートホールや音楽スタジオなどで使われるケースも多くあります。
5つ目が、舌で感じる「味覚」です。味だけでなく、堅い・柔らかい、ツルツル・ザラザラといった舌触り感覚も含まれます。例えば木の箸やスプーンを口に入れた時の感覚をイメージしてみてください。舌触りとともに、熱い・冷たい (触覚のところで触れた、木の熱の伝えにくさ)も影響しますね。
ちなみに、おひつに炊きたてのご飯を入れると、木が持つ調湿作用(水分を吸収したり、放湿したりして常に呼吸する性質)によって、ご飯の水分量をベストな状態にし、ふっくら美味しくしてくれます。その証拠に、おひつに入れたご飯は冷めても美味しくいただけます。
ここまで、五感という視点で木の魅力を見てきました。次からは、木の家ってどうなんだろう!?という疑問に対して、〈一般的なハナシ〉と〈スウェーデンハウスのハナシ〉という2つのポイントで考えていきたいと思います。
【木の底力】その1
家づくりにおいて地震への強さは重要なポイントですよね?建物に加わる地震の力は、建物の質量にほぼ比例するので、構造材は軽いほど有利です。下のグラフをご覧ください。木材は建築に用いられる他の構造材と比べて圧倒的な軽さで、地震に強い家を叶えます。
上図から、鉄・コンクリートを凌ぐ木の強さがお分かりいただけたと思いますが、ひとくくりに木材といっても、種類や使われ方で建物の強さは異なります。そこで、スウェーデンハウスに使用する木材についてご紹介しましょう。木材のポテンシャルを引き出し、安心の強い家を実現するための、重要な要素です。
スウェーデンハウスで使用される木材は、オウシュウアカマツとオウシュウトウヒという針葉樹。厳しい自然環境のもとで長い時間をかけて生長するため、年輪の間隔が狭く高密度、硬くて粘り強い特徴があります。またスウェーデンの木は、日本のように山の斜面ではなく、フラットな地形で育つため、年輪に片寄りがなく品質も安定しています。
その丈夫な木材を、しっかり乾燥させて使用することもポイント。充分に乾燥させた木材は強度が向上するだけでなく、反りなどの変形が少なく、施工精度が向上するなどの多くのメリットがあります。木材に含まれる水分の割合は含水率で規定されていて、JAS(日本農林規格)では19%。スウェーデンハウスで使用する木材の含水率は JAS基準を大幅にクリアする概ね15%以下で、強く、そして長寿命の家を叶えます。
スウェーデンハウスは、スウェーデンの現地工場で、木質壁パネルと木製サッシ3層ガラス窓などの主要構造部材を生産しています。強い家を実現するために肝心な、木質壁パネルの枠材サイズは45㎜×120㎜と骨太。これは一般的な2×4材(38㎜×89㎜)の断面積の1.6倍で、積雪など上からの力に対する圧縮強度が1.6倍の強さになることを意味します。
【木の底力】その2
木は、たくさんの空洞の集まりから出来ているので熱を伝えにくい性質があります。下のグラフをご覧ください。熱の伝わりやすさを、他の素材と比較したものなのですが、鉄は木の440倍も熱が伝わりやすく、アルミは木の1700倍も熱が伝わりやすいのです。鍋敷きや、フライパン・やかんなどの持ち手に木が使われている理由が分かりますね。
厚みのある木は表面が焼けて真っ黒に炭化すると、酸素が通りにくくなり、それ以上内側に燃え進みにくくなる性質があります。木の表面が炭化する速度は、1分間に0.6〜0.8㎜程度。10分経過しても1㎝に届かず、20分経過でも12〜18㎜です。ちなみにアルミが溶け出す温度は660.2℃ですが、木はその温度でも表面が炭化して強度自体はほとんど変わりません。
また、木にはもし燃えても有害な煙が出にくいという特徴もあります。
スウェーデンハウスは壁に木質パネル、窓に木製サッシという正真正銘の「木の家」ですが、木造建物の断熱性・耐火性を考えた時、重要なポイントはズバリ窓。寒い・暑いといった熱の出入りも、火事の場合に火の通り道になりやすいのも、窓だからです。ここではスウェーデンハウスの木製サッシ3層ガラス窓の断熱性・耐火性について見ていきましょう。
窓は閉めていても、熱の出入り口になります。夏は暑い日差しを、冬は厳しい冷気の影響を窓から受けて、室温は上がったり、下がったり・・・住まいの断熱性は窓に左右されるといっても過言ではありません。一般的な住宅の場合、夏場は全体の熱の約7割が窓から入り、反対に冬場は全体の約半分の熱が窓から逃げるというのですから、窓の断熱性能は侮れません。
スウェーデンハウスは窓の性能にこだわりを持ち、住宅メーカーでありながらオリジナルで木製サッシ3層ガラス窓を生産する会社。窓はサッシとガラスから構成されていますから、サッシの素材そのものの断熱性能はとても大切です。アルミ素材のサッシや、樹脂素材のサッシと比べて、木製サッシが断熱性に優れていることは、先にご紹介したグラフ:木の熱の伝わりやすさを見ると、一目瞭然ですね。
火事が起きた時に、火の通り道になりやすいのも窓。一般的によく使われるサッシの素材は、アルミ、樹脂ですが、これらの素材は木より熱が伝わりやすい(熱伝導率が高い)ため、火がせまった時に、全体が熱くなり、枠ごと溶け落ちでしまうことも・・・。窓が焼け落ちると、炎が一気に燃え広がる可能性が高くなるため、外から炎がせまった場合には、いかに窓の延焼を食い止めるかがカギとなります。消防白書によると通報から放水までの時間は20分以内が約93%。つまり、窓が外からの炎に20分耐えられれば、延焼を防げる可能性もアップするということなのです。
ここでスウェーデンハウスの木製サッシ3層ガラス窓の防火性能について見てみましょう。上の写真は防火性能実験後の窓の断面写真です。外側から炎に20分さらした後、消火してカット(消火後にガラスも外しています)。茶色の木目が見えている面(下側、窓の取っ手がついています)が室内側、黒く炭化している面(上側)が屋外側となります。屋外側の木製サッシ表面が炭化し、木の内部まで火が燃え進まず、窓を支え続けたことが分かります。そして室内側は火の影響が見られず、炎がしっかりとシャットアウトされています。木製サッシ3層ガラス窓は、命と財産を守り抜く防火性能を備えた窓なのです。
スウェーデンハウスは、火事の被害を最小限にとどめるように、窓の性能実験と改良を積み重ねてきました。1993年には国内で木製初の建設省乙種防火戸の認定を取得し、2016年には住宅用防火窓に世界で初めて「耐熱結晶化ガラス」*を標準採用し防火設備大臣認定を取得しています。 *800℃に熱しても変形せず、直後に冷水をかけても割れない高機能な特殊ガラス |
【木の底力】その3
木材は水と空気、太陽の光だけで生長するため、資源の枯渇が心配される化石燃料などとは異なった持続的生産が可能なバイオマス資源*です。そして資材生産時の消費エネルギーが極めて少ないエコロジカル素材でもあります。生産時における消費エネルギー比較のグラフ(下記)をご覧ください。木を1とした場合、コンクリートは8倍、鉄は350倍、アルミニウムは1460倍ものエネルギーを消費します。住宅の建築を通じて、より多くのCO2を削減するためには、資材の生産時に消費するエネルギーを軽減することがとても大事なのです。
また木にはCO2を吸収して内部に蓄える(=固定化する)性質があるのですが、その効果は住宅になった後も継続します。つまり廃材となって燃やされない限り、内部に蓄えたCO2は外に排出されないのです。CO2固定化という視点で見れば、木の家に暮らすことは、森を保存するのと同じ効果と言えます。
近年、欧米を中心に世界的に木造高層建築がトレンドになっています。背景の1つには高強度の木質建材の普及があります。木造建築技術の飛躍的な向上で木材の耐震性や耐火性といった強度が高まり、厳しい条件をクリアできるようになったのです。そして、もう1つ ━━ 主に以下のような環境的側面からの注目度も大きく影響しています。
スウェーデンでも2021年に木造20階建のビルが完成し、中にホテル、劇場、展示ホール、図書館などが入りました。そして現在、世界一高い木造ビルとしてオーストラリアに39階建の木造ビルが建設されています(2026年完成予定)。 木材そのものの性能の高さだけでなく、環境、健康、デザインなど様々なメリットが受け入れられ、世界的に建築物の木造化・木質化が拡大しています。 |
スウェーデンハウスは持続可能な森から、質の良い木材を、安定して調達しています。スウェーデンは100年以上前の1903年から、木を伐る量より生長する木の量が多くなるよう、国をあげて計画的かつ積極的な植林を行なう国。スウェーデン南部では、植林から伐採が可能になるまで60〜90年、さらに気候の厳しい北部では80〜120年の時間を要し、スウェーデンハウスが使用する木材の樹齢も80年前後です。生長を終え、伐採された木は様々なかたちで100%活用されますが、その一部がスウェーデンハウスにも使用されているのです。このように木を植え、育て、伐採し、資源として活用するという理想的な循環サイクルを整え、維持し続けるスウェーデンは、この100年の間に森林量を2倍にしています。
また若い苗木は活発にCO2を吸収して生長しますが、樹齢80年ほどになるとあまり吸収しなくなるため、成長した木を伐って活用し、若木を植え育てることは地球全体のCO2排出抑制にも貢献します。
スウェーデンの森から生まれ「スウェーデンハウス」という形で新たな命を宿した住まいは、都市に木を植えることと同じと言えるのです。
ちなみにスウェーデンハウスの外壁に使われる木質パネルの木材使用量は、一般的な2×4住宅の約2倍、2×6住宅と比べても約1.5倍です。この木材使用量の違いは、建物のCO2固定化の促進に貢献できるだけでなく、住宅としての構造強度も比例して強くなることを示しています。
ここまでは木の性能面を中心に、スウェーデンハウスのケースを交えながらご紹介してきました。しかし木の魅力は、その性能の高さだけではありません。最後に木の美しさやデザイン性の高さ、さらに時間の経過を味わいに変える優れた力を、写真とともに見てみましょう。
木は使い方や他素材との組み合わせによって、ナチュラル、モダン、スカンジナビアン、クラシック、和風、アジアンなど様々なスタイルのインテリアを叶えます。そしてオリジナルの木製サッシ3層ガラス窓のデザイン性の高さもポイント。スウェーデンハウスの木製窓は、インテリアだけでなく外観デザイン上も“スウェーデンハウスらしさ”を演出する重要なアイテムと言えます。
性能・デザイン性の高さだけでなく、環境的側面から、ヨーロッパを中心とした住宅への木製窓の採用は今や常識となりつつあります。日本の木製窓のシェアはまだまだ低いですが、国内で窓・サッシを製造するYKK APやLIXILなどは今、ヨーロッパと同様の理由で木製窓への展開を視野に入れて動き始めています。 |
今回は、木の魅力について考えてきました。ここまでお読みいただいた皆さんには、ぜひ、実際にご自身の五感で木の魅力を体感していただくことをおススメします。スウェーデンハウスは、全国すべてのモデルハウスが木質パネル工法で、どの窓も木製サッシ3層ガラス窓。国内の木製サッシのシェアは低いですが、スウェーデンハウスでは実際に建つお宅も含めて100%採用されていますので、もしご興味をもたれましたら、まずはお気軽にモデルハウスへお出かけください。